維新の公約がリーク発表される?!いやいや、これからが大詰め。
こんにちは、音喜多駿(日本維新の会 参議院議員 / 東京都選出)です。
〈独自〉維新の参院選公約案が判明 9条に自衛隊明記、大阪を副首都に
https://news.yahoo.co.jp/articles/589b390b0a5de131813062e8b8948348f4b19860
昨晩のネットニュースと今朝の産経新聞朝刊にて、けっこうなボリュームの「維新の参院選公約」がリーク報道されておりました。
まあ我が党に限らず、選挙が近くなるとこういうことがあるのですよ…。
みんなで政策を考案し、さあこれから大詰めの策定!という業務を担う立場としては残念な想いはありますが、仕方のないことでもあります。。
いずれにしても、藤田あきら政調会長代行(マニフェストPT政策班事務局長)が述べている通り、まだマニフェストPTの分科会や各議員団での検討・提案が終わり、これから最終的な組み上げに入る段階です。
まだ登山で言えば6合目・7合目といったところでしょうか。報道されていた内容についても、まだ変わる可能性があります(変わるというか、確定してないのでその表現も変なのですが…)。
マニフェストの正式発表は党政調会・マニフェストPT→常任役員会の承認を得て6月上旬の発表となる見込みですので、いましばらくお待ちいただければ幸いです。
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せっかくなので政策的なことを一つ書きますと、例えばリーク記事の見出しに使われた憲法9条への「自衛隊の明記」について。
私も憲法9条の改正には賛成ですし、自衛隊を憲法に位置づけることにも前向きな立場・考えですが、「自衛隊」という固有名詞をそのまま憲法に載せるかどうかについては、技術論として論点がいくつかあります。
そのうちの一つが、藤田あきら政調会長代行も指摘している「自衛隊」という固有名詞・組織名を書き込むことの是非です。
粒度が違うということの他にも、維新の勉強会で何度も講師を務めていただいている憲法学者の井上武史先生は以下の点を指摘しています。
憲法改正の論点を探る(下) 自衛隊の明記、法的に困難 井上武史 九州大学准教授
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO26582060W8A200C1KE8000/
>しかし現存する特定組織である自衛隊を、憲法に書き込むのは法的に難しい。
>第1に自衛隊の存在を憲法に明記すれば、自衛隊は衆議院・参議院、最高裁、会計検査院などと並ぶ憲法上の組織として位置づけられる。しかも国民投票で承認された自衛隊は、憲法制定時に国民投票を経ていない既存の国家機関よりも高い正統性を有することになる。それは自衛隊を単に合憲化する目標との関係では明らかに過剰だ。
>第2に自衛隊が憲法上の組織となれば、法律で設置されるにすぎない防衛省は組織法上、自衛隊の下位機関となる。もしそうなれば、自衛隊が防衛省に管理されている現在の状況は大きく様変わりする。
>第3に自衛隊を憲法に書くのであれば、その固有の任務・権限や他の国家機関との関係も併せて記述せねばならないが、それは法的には9条2項に上書きする意味を持つ。(後略)
※上記日経新聞記事より抜粋、強調筆者
「自衛隊」という名称を憲法に書き込むことはシンプルでわかりやすい反面、過剰に強い意味を持つことになりかねない点が指摘されています。
こうしたことを踏まえて井上教授が提案しているのは、新設3項に「前項の規定は、自衛のための必要最小限度の実力を保持することを妨げない」という規定を加えるというものです。
この論点についてはまさに先月下旬に行われた党政調会でも論点として紹介されていたところであり、例えばこのような議論を踏まえて、最終的なマニフェストへ記載される内容・書きぶりがこれから決定されていくわけですね。
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もちろんこの1点をとっても何か「正解」があるわけではなく、議員の数だけそれぞれの考えや想いがあります。
その最大公約数を如何に汲み取りマニフェスト・政策集に反映していくか。政務調査会が担う役割は非常に繊細な調整であり、政策的なアートであるともいえます。
残された時間は少なくなってきましたが、引き続き検討・議論を重ねながらマニフェスト策定を前に進めて参ります。
それでは、また明日。
編集部より:この記事は、参議院議員、音喜多駿氏(東京選挙区、日本維新の会)のブログ2022年5月13日の記事より転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は音喜多駿ブログをご覧ください。