ロイターの大誤報:海面が毎年4.5センチ上がる!?

ロイターが「世界の海面上昇は史上最高になり、海面が毎年4.5センチ上がる」というニュースを世界に配信した。これが本当なら大変だ。この調子で海面が上がると、2100年には3.6メートルも上がり、多くの都市が水没するだろう。

ところがNHKは「30年間に10センチ余り」と報道している。

計算が合わないので、情報源のWMO(世界気象機関)のウェブサイトで確認すると「最近で毎年4.5mm」。これだと30年で135ミリだから、NHKの数字が正しい。

https://twitter.com/WMO/status/1526872728321593345

こんな誤報が出たのは、アル・ゴアが2006年に映画「不都合な真実」で予言した「近い将来に20フィート(6メートル)海面が上がる」という数字をジャーナリストが(デスクや校閲まで)信じているからだろう。

ゴアはこの映画の翌年に、ノーベル平和賞を受賞した。この数字はその後いわなくなったが、正式に撤回もしていない。おかげで世界には、まだ「海面が2.5メートル上がって都市が水没する」と信じている人がいる。

4.5ミリの海面上昇というのは、1日の干潮と満潮の差1.5メートルに比べると、誤差みたいなものだ。

ノギタ教授 on Twitter
“僕の住んでいるオーストラリア大陸は年平均で70mm(7cm)も北へ移動しています。海面上昇は年平均で4.5mm(0.45cm)。海面上昇よりも大陸移動の方がもっと大事な問題かも。 「5000万年後に、オーストラリアは日本とぶつかる? じゃ、何をすればいいんですか?」”

海面が6メートル上がるなら大問題だが、100年で45センチ上がっても、堤防を嵩上げする程度だ。そのコストは「カーボンニュートラル」の莫大な対策費とは比較にならない。

これがゴアの不都合な真実である。彼は今さら引っ込みがつかないだろうが、環境左派のみなさんはそろそろ知識をアップデートしてはどうだろうか。

【追記】英語版では”Sea level has risen 4.5 cm (1.8 inches) in the last decade“となっているので、日本語版の誤訳かもしれない。