先進国の主要な中央銀行は、金融を引き締める方針をつぎつぎに打ち出しました。FRBは0.75%という大幅な利上げを決めました。イングランド銀行も引き続き利上げを決めています。スイス中央銀行は市場予想に反して利上げに踏み切りました。
主要6カ国の中央銀行のうち利上げをしていないのは日本銀行だけとなりました。そのため、今日(17日)に公表される金融政策決定会合に注目が集まっていました。
日銀は金融政策を決める会合で、今の大規模な金融緩和策を維持することを決めました。また、決定内容の公表文にリスク要因として「金融・為替市場の動向やわが国経済・物価への影響を十分注視する必要がある」と明記し、さらに長期金利の上昇を抑えるため実施している、指定した利回りで国債を無制限に買い入れる「指値オペ」と呼ばれる措置について、毎日実施する対応を継続することも決めました。
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スイス中銀の利上げの動きはサプライズでした。
スイス中銀が突然、2007年以来はじめて利上げしたおかげで明日の日銀が一層注目されるだろうが、ほぼ99.99%の確立で、何もなかろう。
— Amin Azmoudeh | アミン・アズムデ (@aminimaz) June 16, 2022
日銀や政府の動きには深刻な矛盾があるという指摘があります。
日銀、金融庁、財務省が一堂に会して、円安への協調体制確立声明を出したばっかりなのに、片方の日銀では「指し値オペ」という、円安を誘導する政策をつづけている。
つじつまの合わない二つの政策を一つの日本国から出しても、国際社会からは、「何言ってるの?」ってことになってしまっている。— 笹山登生 (@keyaki1117) June 15, 2022
米国株はまた急落し、リスクオフ(投資先をリスクの低い金融商品(安全資産)に移すこと)の動きが広がっています。
13日には長期金利が0.255%とYCCの上限を上回りました。指値オペも限界が見えてきていました。YCCを放棄すれば、日銀に含み損も出ます。
日本10年債金利は3日連続でYCCの上限を破っています。日銀は一生懸命お金を刷って買い支えしているけどこれは持続可能な政策ではありません。やりすぎです。 pic.twitter.com/YNYJBUO6Lf
— Emin Yurumazu (エミンユルマズ) (@yurumazu) June 15, 2022
ジョージ・ソロスとBOEの英ポンド通貨攻防のようにはならないとの指摘もあります。
『長年日銀が維持してきたYCC戦術についてヘッジファンドや海外の投資家が枠組みの撤廃を見込んだ取引を行なっている』と聞けばジョージ・ソロスとBOEの英ポンド通貨攻防を想起する人は少なくないと思うが、今回の件はそこまでドラマティックでない一方でテクニカル面では金利が主役であるためより複雑
— じぇい (@17296Jay18416) June 15, 2022
いよいよ打つ手がなくなり、チェックメイトが近づいてきた感がありますが、これから国民生活はどうなるのでしょうか。いよいよほんとうの意味で自己責任が問われる社会になっていきます。