auはミスはしたが、代わりに得たものも大きい
ここ数日、auのダウンで大変な思いをした方も多かったはず。
個人なら家のWi-Fi使ったりカフェでも行ってろ、またはiPhoneXS以降ならデュアルSIMになるんだから、auがダメなら最新のスマホはSIMロックされてないが、そうでないならSIMロックを解除してe-SIMでもう1回線契約。まあ、SIMロックの解除は購入時の常識だと思う。ゴタゴタ言わないで震災の時の予備にもなるから契約しとけって言う感じだし自分もそうするところだ。ショップに怒鳴り込んだり嫌がらせ電話してもなんにもならんでしょ。
問題は業務用で特にauはトヨタ、京セラ系だからこちらが強い。ヤマトさんの配達は電話が使えなくて四苦八苦したらしいし、わたしのクルマはau回線で緊急サポートに電話がつながる。事故起こさなかったから関係ないんだけどね。
SoftBankもdocomoも大規模ダウンは起こした。所詮、人間がやるんだからこういうことは必ず起きる。だから起こしてもいいというわけではないんだが、コレ言ったら政府や専門家のコロナ対策のほうがもっと酷かった。日本の経済をめちゃくちゃにしてしかもいまだにし続けているわけだからauの社長に辞任を求めるなら一緒に辞任して欲しい。
岸田さん、もう7月ですけどまだ14万人来ていた訪日を2万人に制限してますがきちんと約束したことは守ったらどうだろう。
で、KDDIの社長の会見が素晴らしいと評判だった。
絶賛の嵐が吹く
技術者の端くれとしてKDDIの会見を見ていたが、KDDIに対する好感度がかなり上がった。幹部があらゆる質問を打ち返せているし(なにより驚いたのは社長がiOSとAndroidの仕様差分に言及した点)、慌てふためいたり助けを求めたりするシーンがまるでない。
— Kobayashi Yasuhiro (@ppyv) July 3, 2022
au通信障害の件、社長がお詫びしても責任取って辞めても何の意味もないのだが、そればっかり質問・追求する記者は、恐らく通信障害でauショップに凸するタイプの情弱だろうし、実際に彼らがauユーザーなら昨日は確実にauショップに凸して店員に罵声浴びせている。
— ボヴ (@cornwallcapital) July 3, 2022
「悪い報告を上にあげると罰せられる組織はダメ」と何度も言っているのですけれど、今回のKDDIの通信障害。時系列でみると、深夜1:35にアラーム発生。2:00には社長にまで報告が届いていて、事故対策本部を立ち上げ。深夜にトップを起こしても大丈夫という心理的安全性の確保はすばらしいと思います。
— MAEDA Katsuyuki (@keikuma) July 4, 2022
なんかね。こうなるとね
auユーザーだけど、会見前は不具合がなかなか解消されなくてちょっと不満を抱いてたけど、会見を見て、社長や幹部の方が技術を理解した上で誠実に対応している姿に不満はかき消えた。
むしろ補償が云々絡んでる人や、auショップで暴れてる人たちに不快感を抱いたわ。 https://t.co/JLuPQytfmN
— わさび。 (@wasabi15749807) July 3, 2022
とまあ、対応には逆に信頼感を覚えた人たちも多いだろう。実際わたしは例えば震災などで今回のようなことがあると困るので、iPhone13ProMaxのSoftBankの物理SIMをeSIMにして(リテラシー低いと厳しそうであった・・・・)、もう一枚のauのpovo2.0の物理SIMを申し込んだ。これだと基本料金は0円だから、もしかの時に刺しておける。物理SIMにしたのは海外にいった時にこのスロットから抜いて現地のSIMカードを入れるためだ。ここらはまたブログで書きます。
なんでau系にしたかというと、社長の対応を見て「この会社なら2度と同じ事はしないだろう」と感じたからだ。このように新規の顧客をゲットしたケースもあるだろうし、そういう客はわりといい客だと思うが、今回離脱した顧客の多くは
●ほかのキャリアならこんな事は起きないと思っている
docomoもSoftBankも過去にやりました・・・・ww
●電話がつながらなかった損害を補償しろ
残念ながら法律で請求できる損害賠償は契約書にも記載の通り、払っている金額までですのでつながらなかった数日間分の電話代は保障される可能性はありますが、仕事が滞って損害が出た、払え!みたいなのは対象外。これが可能なら飛行機が遅延したので商談が流れた、損害を払え!みたいな無茶振りが通りますのでヤクザみたいな人しかこんな要求はしません。
まあ、こうした顧客はけっしていい客ではなく、解約してくれてほかのキャリアに行ってもらったほうがスタッフも病まずに済み、対応コストもなくなって利益が出ます。企業クライアントはキャリアを変えるより、災害時等も考えてデュアルSIMでリスク回避を図るようにするのではないでしょうか。
リクルートの時に習った、ピンチの時こそチャンス
リクルート時代に「ミスした時こそチャンス!顧客の信頼を得るため必死に動け」と言われたのが未だに人生の金言なのだが、auの今回の対応は素晴らしく、これでもとどまるユーザーや新規ユーザーはauの対応を評価する人たちだから、ユーザー満足度も上がり、長期的には良いふうに変化するのではないか。
— Isseki Nagae/永江一石 マスク外して経済再建へ (@Isseki3) July 5, 2022
これは本当の話です。
ミスはミスとしてめげているくらいなら客にその損害の倍のメリットをだせるようにしろと。これはいまも自分の仕事の中でのスタンスです。もう、時効なんで書きますが、リクルートのときに中古社情報誌の営業をしたのですが、何も分からない江副さんが突然「新車もやれ」といいだし、新車と中古車では購入動向が全く異なるのでダメだというレポートまでだしたのであるが、上は「江副さんが言ってるからやれ」と・・・・
で、某外車の日本支社で新車のカタログの小冊子を入れて貰う仕事を取ってきました。かなり額の大きな仕事でしたがそこはプレゼン力でなんとか・・・・ところが反応が薄くて全然売れないの。当たり前だ。担当の部長は社内で突き上げられて大変なことになりそうでした。で、わたくし、リクルート社内でそのメーカーの営業マンに変身して15台ほど売って売って売りまくり、数字を作って必死に面目を保ったのでした・・・・。ズルといえばズルです。
しかしこれで信頼関係は強化できて、その後は良い関係になりました。ミスは誰でも起こすし、失敗もする。そのときにいかにリカバーするかがビジネスの醍醐味なのです。
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わたしと音喜多君、立憲の中谷さん、自民の藤末さんの新刊「日本沈没を食い止めろ!」がでました。
編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2022年7月6日の記事より転載させていただきました。