安倍晋三元総理に捧げる:「自分の足で立てる日本」をつくる

安倍元総理が卑劣な銃撃により急逝されました。昨日は突然のニュースに頭が真っ白になってしまいました。いろいろなことが思い出されては消え、悲しみと怒りと悔しさと未だに信じられない気持ちとで上手く言葉になりません。朝早く起きてこのブログを書いています。

私は安倍総理には外務省時代からご縁を頂き、安倍総理に憧れて政治家になることを決意しました。私は外交官の仕事が好きでした。もし安倍総理が総理でなければ、おそらく政治家になろうとは思わなかったと思います。それぐらい凄いリーダーでした。

若い頃から可愛がって頂いた故岡崎久彦大使から安倍総理のことは下野時代からよく伺っていましたが、実際にお会いしたのは2014年が初めてでした。そして、岡崎大使がなぜあれほど安倍総理にご熱心だったのか理解できました。オーラも何もかも全然他の人とは違っていらっしゃいました。

安倍総理は、役人時代の私にとっては仰ぎ見る存在でしたし、政治家になってもう少し親しくなってからも、やはり「師匠」というか「この方に認められるような仕事ができるようになりたいなあ」と思う憧れの存在でした。温かくご指導頂いてきた様々なことを思い返すと胸が詰まります。

この選挙に向けても、政見放送に出演し選挙応援にも2回も来て下さった。そして、私がやりたい、やるべきと思った政策について多く助けて頂きました。韓国との歴史戦、産後パパ育休、防衛装備品の海外移転、女性活躍など思い出すといろいろあったなと。見ていないようで見ている、フェアな方でもありました。

6月28日に富田林まで選挙応援に来て下さったときに「絶対一番だからね!」と言われたのが安倍総理との最期の会話となってしまいました。私は、恐れ多くも自分が出版したばかりの本を渡して「ちゃんと穏当なタイトルで出せましたから。」と(花田編集長は「もしも私が総理だったら」というKYなタイトルを熱心にというか執拗に提案してこられたので安倍先生にもご相談したことがあったのです。結局「挑戦する力」という穏当なタイトルに)。まさか、あれが最期になるとは思いもしませんでした。もう本当に会えないのかと思うと涙が止まりません。

安倍総理は、優れたリーダーであっただけでなく、希代の戦略家であり外交官であられました。まだまだ学びたいことご指導頂きたいことが沢山ありました。本当に残念で残念でなりません。

日本は、この新たな危機の時代に、真に必要な偉大な政治家を失いました。

安倍元総理は、常に日本を思い、この国と、国民の生命を守り抜くことに尽くしてこられました。「戦後レジームからの脱却」など、太平洋戦争で敗北し、いろいろな本来の日本を良さや本来の力を見失ってしまった日本の「国のかたち」を取り戻すことにも取り組まれてきた政治家でした。憲法改正はその表れだと思っておられたと思います。

安倍先生のご意志を思い、私は、日本を守り抜くことを改めて決意します。「自分の国は自分で守る。」そのために防衛力を強化し、外交と防衛の車の両輪で、日本の平和を守り抜きます。日本人自身で日本の国のかたちを改めて確認するべく、憲法改正(特に9条)を実現します。

そして強靭な日本、「自分の足で立っていくことができる日本」を作ります。今年の2月24日世界は変わったと思います。私たちはもう新しい時代の中にいます。それは、「危機の時代」です。世界のどの国も自国ファーストの傾向を強め、軍事力行使のハードルが下がり、「力による政治」が横行する時代です。なんでも輸入できる時代も終わりかもしれません。我が日本が、この危機の時代を乗り越え、新しい繁栄に向かうことができるかどうか。

だからこそ、これからの政治の最大の使命は、日本という国が「自分の足で立っていくことができる国」になるよう血道をあげて取り組むことだと私は思います。だから、食糧自給率とエネルギー自給率の抜本的強化も必要です。当選したらただちに取り組みたいと思います。同時に、強い経済、所得の上がる経済を作る挑戦を国を挙げてやらねばならない。

そして、この国に生きる全ての人たちが、この国に生まれて良かったと思える日本を作りたい。自民党は国民政党です。誰も切り捨てません。頑張る人が報われなければならない、でも頑張ろうと思っても頑張ることができない人は支えていく。

この国を作ってきてくださったご高齢者の方々が安心して暮らせることは重要です。人口の四分の一が幸せでなければ、幸せな国とは言えない。だから、全世代型社会保障と皆保険制度は死守します。もっともアップグレードは不可欠です。デジタル化、マイナンバーカードが鍵になります。同時に、若者と女性にもっと権限と力を移譲していくべきです。日本の多くの課題は「老化」にあるのですから。

そして、81万人に減ってしまった日本の子供達にお金をかけすぎてかけすぎることはないと思います。子育てと教育にお金のかからない日本(むしろ子供を産む方が得になるぐらいでいい)、子育てが楽しい日本にしていかねばならない。若者と子供にかける予算は倍増すべく取り組みます。そして、質の高い幼児教育はどんな家庭に生まれた子供達にも人生を切り開くチャンスとして取り組みたい。子供は親を得らべないから。そして多くの親は忙しすぎるから。

言論を封殺するために銃を用い、命を奪おうとする。民主主義の根幹を揺るがす重大かつ卑劣な行為であり、このような卑劣なテロ行為は絶対に許ません。暴力に屈することは安倍先生だったら絶対によしとしなかったと思います。

だから、私は、御遺志に報いるべく、この選挙全力で戦い抜きます。大変厳しい情勢であることは知っています。大阪では維新が強すぎです。でも、安倍総理は常々、「世の中には戦う政治家と戦わない政治家がいる、松川るいは戦う政治家だ」と言ってくださいました。

この6年自分は自分のできる最善を尽くしました。今年10月から施行の「産後パパ育休」も実現できたし、こども防衛白書も出版できた。防衛装備品の海外移転についても随分進展しましたし、国家安保戦略も深化しました。韓国との歴史戦についても、日本のTV番組だけでなく、ブルームバーグやBBCなどの国際メディアでもきちんと日本の立場も発信できました。

だから、戦い抜いて、安倍総理にトップ当選を捧げたいと思います。

安倍晋三先生のご冥福を心からお祈り致します。


編集部より:このブログは参議院議員、松川るい氏(自由民主党、大阪選挙区)の公式ブログ 2022年7月9日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方は、「松川るいが行く!」をご覧ください。