【更新】冬に最大9基の原発稼動:岸田首相が会見

アゴラ編集部

岸田首相は、エネルギーの安定供給を確保するために、萩生田経産相に対して、今年の冬に最大9基の原子力発電所の稼働を進めるよう指示したことを会見で明らかにしました。記者会見の詳報をもとにデータを更新しました。

原発最大9基を稼働、岸田首相が経産相に指示 冬の電力逼迫を懸念:朝日新聞デジタル
 岸田文雄首相は14日の記者会見で、萩生田光一経済産業相に対して、電力需給の逼迫(ひっぱく)が懸念される今冬に、最大9基の原発の稼働を進めるよう指示したことを明らかにした。 首相は「できる限りの多くの…

岸田首相はそれ以外に以下のことを指示したと明らかにしています。

  • 日本全体の電力消費量の約1割に相当する分を確保する。
  • ピーク時に余裕を持って安定供給を実現できる水準を目指す。
  • 火力発電の供給能力を追加的に10基を目指して確保する。

資源エネルギー庁のホームページによりますと、原子力規制委員会が設置変更許可を出した原発は全国で17基で、そのうち再稼動したのは10基。このうち川内1号・2号、玄海4号、伊方3号、大飯3号の5基が運転中です。

あとは特重(特定重大事故等対処施設)の審査が終わった高浜3号・4号、大飯4号美浜3号、玄海3号の5基が動く予定ですが、入れ替わりに玄海4号が停止するので、最大9基となります。これは予定通りで、新情報ではありません。

来年3月に特重の工事が終わる予定の高浜1・2号は、工事を早めれば今年の冬には動くので、最大11基は可能です。

ただ原発の稼働ゼロで1月の予備率がマイナス0.6%ときびしい供給状況になる見通しの東電管内の柏崎刈羽6号・7号は、運転員の不祥事で「是正措置命令」が出ているため、委員会が命令を解除しないと運転できず、今回の「最大9基」には含まれていません。

三条委員会には内閣が「助言」しかできないので、萩生田経産相が更田委員長に助言すれば、技術的には運転可能です。柏崎の再稼動が実現すれば、東電管内の予備率は5%上がり、冬は乗り切れます。

また、岸田首相は、安倍元首相の国葬を行うことと、現時点では新型コロナウィルス感染対策のために行動制限をしないことも明らかにしました。

岸田首相の検討使から真のリーダーへの変貌が期待されます。

岸田首相 首相官邸HPよ