詐欺師に騙されない方法:ポンジスキームには要注意!

NISAとかiDeCoって本当にやらなきゃダメですか?

私たちには、老後2000万円問題や、不安定な収入などお金に対する漠然とした不安があります。今回紹介するのは、YouTubeが大人気の税理士が教えるわかりやすい「マンガお金の授業」です。混迷の時代を生き抜くお金のヒントがわかる一冊と言えるでしょう。

貯金すらまともにできていませんが この先ずっとお金に困らない方法を教えてください!
大河内薫 著、若林杏樹 著
サンクチュアリ出版

 

 

投資詐欺から身を守る方法

「みんなが知らない特別な投資案件の案内です」
「あなたに、いまだけの特別のオファーです」
「高利回りの案件を紹介します」

皆さんにもこのような誘いが多いと思います。一番カモにされるのが、投資用語の意味がわかる人。「高利回り」と言われても、そもそも利回りの意味がわからなければ食指が伸びることはありません。

本書では投資詐欺から身を守る3つのポイントが紹介されています。1つ目が「相場」を知るということ。投資の神様バフェットでも平均利回り20%と言われています。そのバフェットが見ず知らずの人に「投資初心者に利回り20%のノウハウ教えます」なんてことを言うはずがありません。考えればわかることです。

2つ目が「あなただけ」。いいものならあなたに紹介するまでもなく勝手に売れていきます。amazonでは、「ヤクルト1000」が定価の3~4倍で取引されていますが、いいものだからプレミアム価格がつくのです。わざわざ、営業をする必要などありません。

3つ目は「ポンジスキーム」です。投資詐欺の9割以上がこれだと言われています。ポンジスキームは高額な利回りで出資者を集めます。たとえば、1口100万円(利回り30%など)で最初は配当をおこないます。でもこれは、自分が出資したお金を返してもらっているだけなのです。出資者が増加してお金が集まりきったらドロンです。

最近、色んな投資の話を見聞きしますがその多くは眉唾物です。自称メタバースやNFTのプロ詐欺師の人たちは専門的でわかりにくい言葉を巧みに使います。さらに、政治家の〇〇先生の知り合いだとか、著名人の名前を巧みに利用します。話を聞くと、ロジックが破綻しているものが少なくありません。

ひと頃、バーチャルの展示会などがもてはやされた時期がありますが全然ダメでした。儲かるなら、サイバーエージェントがアメーバピグを終了していませんよね。

確実に儲かる投資案件が存在した場合、それが一般に出回ることは理論的に考えられません。本当にオイシイ案件があるなら、筆者なら自分で購入するでしょう。自分で購入できる量が一杯になったら肉親にその話をすると思います。第三者の赤の他人が美味しい情報に有りつけるほど甘くはないのです。だから、目利きの能力を鍛えなければいけません。

お金に弱い国ニッポン

アメリカの公共政策を分析した論文によれば、公共政策で費用対効果が高いのは、子供への教育であることがわかりました。一方、経済協力開発機構(OECD) が2018年に公開した資料によれば、小学校から大学までの教育機関への公的支出の割合は、資料内38ヶ国中で日本が最下位でした。教育に投資しない国がニッポンです。

それもそのはず、日本にはお金の教育がありません。 自ら学びませんから、政治家もお金に弱いのです。「日本のお金の教育を変えることができればみんながお金に強くなり、そんな人たちが作る国は経済大国として復活する」と、著者の大河内さんは言います。

一気に好循環になるんじゃないかと感じた僕は、お金の教育を広める活動をしています。その一環で本書も作りました。あなたはこの漫画でお金の基礎を学びました。 基礎を学んだんですが、これで終わりではありません。 お金は一生使うものだから、一生学んでほしいです。そして強くなってほしいのです。(大河原さん)

攻めない。無理しない。初心者で、手持ち少なくても始められる!「未来の自分」を守るための投資とはなんでしょうか。「利回りとか金利とか、よくわかりません」「投資信託や株式ってなに?」「証券口座を開くのがむずかしそう」「NISAとiDeCo、どっちから始めればいい」といった、投資の基本の話からお得情報まで網羅されています。

本書では、実際に証券口座を開くところから、リアルな体験をマンガにしているので、初心者がつまずく所が、わかりやすくなっています。読み終わるころには、きっと投資や将来のお金への不安がなくなっているはずです。