憧れの彼女とLINEを交換しました。食事に誘ったら「機会があればお食事に行きましょう」「わたしお鮨や鉄板焼きが好きなんですぅ~」と食事の快諾と自分の好みまで教えてきました。これは確実に脈があります。しかしLINEを送ったものの既読になりません。何故だ? なにか事故にでも巻き込まれたのではないか? 不安で仕事が手に付きません。
その彼女は、パフェでも食っている可能性が高いでしょう。脈ナシなのです。彼女はポップアップでLINEの内容を読めているはずです。そのような相手にアピールしても時間のムダです。関係性を深めることは困難でしょう。
「多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。」
Jam 著、名越康文 監修
サンクチュアリ出版
既読スルーは気にしない
人間は不思議な生き物です。いつも誰かのことを考えて、悩んだり、傷ついたり、嫉妬したり、嫌な気持ちがグルグルすることはありませんか。
今回は「多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。」 (サンクュアリ出版)の中から、繊細、イライラ、気にし過ぎの「悩みすぎる人」との上手なつき合い方について解説します。
LINEには相手がメッセージを読むと「既読」と表示されます。すぐに確認ができて便利な反面、既読なのに相手から返信がこないと、「無視された」「私のことはどうでもいいんだ」とモヤモヤしてしまいます。
SNSは人と簡単につながることができる半面、簡単に離れることもできます。突然ブロックされたり、自分をフォローしてくれる人が減ったりすると、相手から一方的に縁を切られたように感じて、嫌われたのかなと落ち込んでしまうことがあります。
例えば、自分がいつでもスマホを見られる環境で、まめに返事ができる状況だと「自分はできているのに、どうして相手はできないの?」と考えてしまうものです。
しかし、使っているのは人間です。好きな時にスマホが見られない人もいるし、文章を書くのが苦手な人だっています。だから、相手から望んでいた反応がもらえなくても、気にすることはないのです。
そう考えると、SNSなどの発展によって道具は進化したといえますが、人の事情まで進化したわけではないと解釈することもできます。人の事情まで進化したわけではないと思うと、少し気持ちに余裕が生まれるかもしれません。
思い込みはみっともない
LINEの既読に神経質になるということ。これは、相手の気持ちに振り回されていることと同じです。相手の返信や既読が遅いことで不安になり、苦しくなっているだけなのです。
こういう人は、「私は嫌われているかな」「なにかあったのかな」「もしかして事故か何かに巻き込まれたのかな」と相手の否定的な感情や状況を想像しています。
つまり、独り善がりに怒ったり喜んだりしているに過ぎないません。INEを相手に独り相撲をとっても意味がありませんし、勝ち目もありません
ここで本におけるタイトルの秀逸な点について解説します。本書の内容は、一般的な「人間関係構築」の本にも書かれているものです。ところが、人間関係構築の本は多いので、同じようなタイトルをつけても埋もれてしまうでしょう。次に「上司や同僚と上手くやる方法」なども考えたと思いますが、これも種類が多く埋もれてしまいます。
ここで目付を変えたことよって、「パフェとか食ってるよ」という秀逸なキーワードが誕生しました。これを他のケースに当てはめてみましょう。「妻が浮気をしている? 多分、今ごろパフェとか食ってるよ」「ダンナの外泊が増えた? 多分、今ごろパフェとか食ってるよ」などの表現も考えられます。心配しすぎてもしょうがないのです。
このようなときには、「今ごろパフェとか食ってる」と考えるとことで気持ちは楽になります。本書には、日常によくあるイライラやその本質、対応策が分かりやすく解説されています。30万部突破がなるほどと思える一冊です。
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