パリ土産の定番として大人気のショコラ。
日本から遊びに来る方達に「おすすめのチョコレートショップを教えてください」とよく言われるが、名門「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」を筆頭に、「パトリック・ロジェ」、「ジャン=ポール・エヴァン」、「ジャン=シャルル・ロシュー」、「ジャック・ジュナン」など、ぜひ味わってほしいショコラがたくさんある。日本展開しているブランドも多いが、日本未発売商品もある上、ショコラ、とくにボンボンショコラは鮮度が命。是非、パリで作りたてを頬張ってみてほしい。
そんなショコラ天国のパリに、昨年冬、新たに注目店がオープン。「アレノ&リヴォワール」だ。
”アレノ”と聞いて、フランス料理好きなら、「アレノって、あのヤニック・アレノ?」とピンと来る人も多いだろう。ヤニック・アレノは、パリと高級リゾート地クーシュヴェルで、それぞれミシュラン3つ星レストランを手がけ、モンテカルロやサン=テミリオンなどでも高級レストランを展開する、フランス料理界の頂点に輝く料理人だ。
そんな巨匠シェフが、シェフパティシエとして長年共に働いてきたオーレリアン・リヴォワールと、今までにないユニークなショコラを創造し、ショップを開いたのだ。
最大の特徴は、”調理された”ショコラであること。アレノは料理人であり、ソースに対する情熱は、他のトップシェフたちと一線を画す。料理で培ってきたソースへの造詣をショコラに応用したガナッシュやプラリネを、リヴォワールと共に開発。唯一無二の風味や食感を持つボンボンショコラが誕生した。
ヘルシーな食の喜びが求められる現代の嗜好に応え、レシピから砂糖も排除した。ビーン・トゥー・バーではないので、クーヴェルチュールチョコレートには砂糖が入っているが、ガナッシュやプラリネには、ハチミツや白樺樹液の甘みを利用。クーヴェルチュールメーカーと二人三脚で、砂糖不使用クーヴェルチュールも開発中。いずれ、完全シュガーレスなショコラが誕生するだろう。
誕生と同時に大人気になった「アレノ&リヴォワール」だが、常に進化を続けるトップシェフたちのアイディアは止まるところを知らず、この夏には、両者の技術の結晶が詰まったフリュイ・コンフィも登場。
フリュイ・コンフィとは、果物の砂糖漬け。フランスの定番菓子だが、甘い果物にさらに砂糖をたっぷり染み込ませてあり、甘すぎると感じる人も。
二人は、砂糖が主要材料であるフリュイ・コンフィから砂糖を取り除く、という離れ技を研究し、白樺樹液の甘みを利用したヘルシーなフリュイ・コンフィという前代未聞の菓子を開発したのだ。
薄い白樺樹液に保護された中で、完熟した桃や杏、パイナップルがゆっくりとその甘みと旨味を凝縮させていく。半年もかけてようやく完成するフリュイ・コンフィのおいしさときたら・・・。
パリに来たら、ぜひとも味わってほしい。食の最高峰に立つ料理人&菓子職人の力量を、堪能できるだろう。
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Alléno&Rivoire