夏休み明けの“うつ”克服法

いよいよ夏休みも終わり、子供たちは新学期が始まりますが、長い休暇で生活のリズムが乱れ、心身の不調をきたす時期でもあります。「夏休み明け」というキーワードでWEB検索してみますと、上位ページには次のようなタイトルが並んでいます。

  • 夏休み明け「9月1日」の“子供自殺”をなくせ精神科医は…
  • 不登校になりやすいのは休み明けって本当?理由と対策を解説
  • 夏休み明けに気を付けたいこと子どもの行き渋りや勉強遅れ…
  • 夏休み明けは子供の不調が増加SOSを逃さないためには
  • 【学校に行きたくない】夏休み明け6つの対策方法とは?
  • 【大学受験】夏休み明けからやるべきことは?成績が伸びる…
  • 夏休み明けに不登校が増える理由と解決への2つのポイント
  • 夏休み明けの授業…
  • 夏休み明けで不登校になる6つの理由と対応のポイント
  • 子供の自殺が急増…夏休み明けは特に注意、親が気を付けたい「5つのSOS」

アルゴリズムの影響もあろうかとは思いますが、ご覧のように上位ページのタイトルには、「自殺」「不登校」「勉強遅れ」など、マイナスイメージとなるワードばかりが目につきます。

urbancow/iStock

最近日本では、学習指導や教育相談等のサポート体制はかなり充実してきています。しかし、子供に嫌な思いや失敗をさせたくないばかりに、自力で克服できそうな些細なことにまで手を差し伸べてしまいますと、子供の自立心・自己解決力が育たず、自らの意思で判断・行動できないような大人になりかねません。

確かに緊急事態での対症療法(自殺阻止など)は必要ですが、他人に助けてもらう前に、自ら“うつや悩み”を克服する方法を見つけ、セルフコントロールできるようにすることが重要だと思います。

そこで「うつ・マイナス思考」克服法の一例として、大人・社会人にも使えそうな、筆者の実経験に基づく逆転発想的フレーズを幾つか紹介します。

1.やる気が出ず何もしたくない

→ゼロ(何もしない)から1つでも実行できれば無限倍である

何かしなくてはいけないと必死に取り組もうとしても、体は動かず空回りし、余計に落ち込む悪循環に陥りことはよくあります。そんな時には、

「明日やるべきことを具体的に1つだけ決め、それを誰かに伝える(明言する)」

ようにします。そして実行できれば、どんなに些細なことでも「できた!」という成果が残ります。何もしなければ0のままですが、100のうち1つでも実行できればゼロの無限倍です。小さな成果が自信・やる気をもたらし、次のステップアップにつながっていくのではないでしょうか。

2.自分に自信が持てない

→何も取り柄がないと思う人は謙虚さに優れている

謙虚な人は、自分自身を冷静に客観視する傾向がありますから、自信過剰で大失敗して奈
の底に突き落とされないためにも「謙虚さ」は欠かせない要素です。また謙虚な人は、良好な人間関係を築くための潤滑油として、調整役・まとめ役を期待されたりしますから、自分では気づかなくても、周りから評価され必要とされている可能性が高いでしょう。

3.ストレスがたまる

→強さを見せるより弱さを隠さない方がストレスは溜まらない

自分の弱さを隠そうとしない人は、等身大の自分を保ち、無理なく自然体で周りの人間と接しますから、ストレスは小さいはずです。また、弱さを人前で平気にさらけ出せるのは、精神的なゆとりや自己肯定感の表れともいえますから、気疲れしない楽しい人生が歩めると思います。

4.苦しいことや嫌なことを避ける

→無理に向き合うより、楽しいことや好きなことを増やす

人は就寝時に思考していたことに関係する夢を見る傾向がありますから、寝床に入ったら意識して別の楽しいことを考えるようにします。すると、楽しい夢を見る確率は高まりますし、たとえ夢を見られなくても、プラスのイメージが脳内にインプットされるでしょう。また、就寝時でなくても、前の日に翌日の楽しみを最低1つ具体的に決めておけば、それが励みとなってモチベーションは上がるはずです。

5.重大な局面や人前で上がる

→プレッシャーは避けるのではなく、友達として付き合う

まず誰もが一生プレッシャーからは逃れられないことを認識すべきでしょう。自覚出来たら発想を変え、プレッシャーは「嫌なもの、悪い奴」ではなく、いつも一緒にいる「同居人」と考えれば、友達として避けずに仲良く付き合っていった方が得です。

「おーい、プレッシャー君よ、今日はあんまりわがまま言わないでくれよ。友達だろ?これがうまくいったら後で話を聞いてやるからさ!」

などとつぶやいたりして、日頃から「プレッシャー君」に慣れ親しめば、変に緊張することもなく普段通りの実力を発揮しやすくなると思います。

6.孤立感にさいなまれる

→必要とされていないと思う人は社会貢献の資質がある

「必要とされていない」と感じるのは、誰かに必要とされ社会に貢献したいという意欲・思いの裏返しではないでしょうか?つまり、「必要されていない」と思う時点で、社会貢献できる資質を持っているといえます。社会が人との関りで成り立っている以上、周りを見渡せば無意識のうちに誰かの役に立っていることが何かあるはずです。まずは些細な社会貢献や親切に気付き、自分の存在意義を見出すことができれば、その秀でたボランティア精神は徐々に活かされていくはずです。

なお上記のフレーズは、この9月5日に全国書店・ネット書店で発売される著者の新刊本にも記載されています。

弱みを強みに変える魔法のフレーズ99―12校1万人もの生徒と向き合った著者の心に響くフレーズ― 和田慎市

逆転発想のオリジナルなフレーズも多くありますので、興味を持たれた方はご覧いただければ
幸いです。