40歳の人生残りの寿命、実質あと何年ある?

黒坂岳央です。

人生100年時代と言われるようになり、若い時期から老後の資産形成を見据えて蓄財に励む声が多くなってきたと感じられる。だが、人によって残りの人生のカウント方式に差がある。たとえば40歳男性がこれを考える場合、

「祖父、父がなくなったのが70代だったので残り30年」
「人生100年時代と考えると、60年もあるとは長いな」

こういった具合だろう。だが筆者は「残りの人生の時間」の考え方はこれらとは少々異なる。自分が思う「残りの人生の時間」は「健康寿命」であり、この時間は自らの行動や習慣で可変すると考える。

monzenmachi/iStock

健康寿命と平均寿命

すでにあちこちで言い尽くされている話だが、簡単に一般的に寿命と捉えられている「平均寿命」と、実質的に自らの意思で生活を送れる「健康寿命」について説明しておきたい。

平均寿命とは、文字通り命を終える寿命のことだ。日本人はこれが非常に長く、いつの時代も世界トップクラスをひた走ってきた。だが、最近では長寿はおめでたいと祝う声も鳴りを潜め、長生きリスクなどと認識も変化しつつある。

その一方で、健康寿命とは日常生活が自分の意思で自由に送ることができる期間を示す。つまり、実質的な「自由な人生の時間」と見ることができる。厚生労働省のデータによると、男女ともに大体70歳前後という数字が出ている。これに対し、平均寿命は80歳くらいなので概ね9-10年間寝たきり生活を送る計算になる。

つまり、40歳の人にとって、残りの人生の健康寿命は「あと30年間くらい」という計算になる。そう考えると意外と長くない。

令和時代もPPK

「できる限り長生きしたい!」と願う人は昔に比べて減っただろうが、「できる限り健康に過ごしたい!」と願う人は以前よりも増えてもおかしくはない。健康寿命が尽きた後の生活は正直かなり悲惨だ。本人は痴呆になってわけがわからなくなれば、お世話をする周囲が大変だし、よしんば意識がハッキリしていても、日々自分の体が衰弱していったり病苦と戦う生活は著しくQOLを低下させる。

その昔、「PPK、ピンピンコロリ」という言葉が流行ったことがあった。ピンピンと健康に生きて、その後コロリとあっさり亡くなるという、健康寿命を最大化させることを理想とした生き方である。この言葉が流行ったのは1980年代で今からずいぶん昔の話だが、令和時代もPPKは理想的な人生戦略かもしれない。

健康寿命を伸ばすための生活習慣

PPKを実現させるためには、できるかぎり健康寿命を伸ばす必要がある。筆者が実践し、知っているものは下記のとおりである。

まずは食事だ。人間の体は食べるものでできている。欲望の赴くままに食べていると、それ相応の不健康な肉体が出来上がる。かといって健康にいいものだけを食べ続けるのは窮屈だし、健康の情報は頻繁に「これは間違いだった」とひっくり返される運命にある。結論として、あまり加工の手が入っていないものを色々バランスよく食べる、で大きな間違いにはならないはずだ。

そして適度な運動である。正直、筆者自身が運動習慣がとても苦手で、自転車、ジムでの筋トレ、様々挑戦して続かなかったので難しさはよく分かる。特に忙しい会社員だと、会社と自宅の往復に加えて運動をしにいくのはとても難しい。だが怠れば健康寿命は確実に著しく減少する。

ではどうするか? 結論としては、「自宅をジム化する」である。筆者はトレッドミルを導入してうまくいった。これなら雨でも昼夜問わず好きな時に運動ができるから無理せず継続しやすい。住環境が許せば検討する価値はある。人によっては、ウォーキングやランニングの代わりに筋トレという人もいるだろう。いずれにせよ、継続しやすい運動習慣が肝要だ。

最後に健全なメンタルである。そしてこれが一番難しい。なぜなら人によって有効な手段がバラバラだからだ。人とおしゃべりするのが一番いいという人もいれば、一人で静かに過ごすのが良いという人もいる。どちらにせよ、孤独感がなく明日を迎えるのが楽しみになるような活動が必要だ。個人的におすすめしたい活動は過去記事に書いた。

残りの人生を考える上では、ついつい終点を「平均寿命」で考えてしまいがちだ。実際、それは間違いとはいえない。だが寝たきりや病苦との戦いの期間はカウントせず、健康で自由でいられる時間で逆算するほうが実質的な人生の活動時間であるし、健康寿命を早いタイミングから意識しておくことで実質の人生時間を伸ばすことが可能だろう。

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