対人関係や孤独にモヤモヤ?そんな時に役立つテクニック

尾藤 克之

「嫌な人や苦手な人がいる」「理不尽な目にあって、忘れられない」「SNSで人の幸せに嫉妬してしまう」「SNSに書かれている悪口が、自分のことに感じる」「みんなにいい人を演じて疲れる」など……現代社会には多くの悩みが存在します。

今回紹介するのは、そんな悩みに対応する「考え方のヒント」をまとめた一冊です。

続 多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。孤独も悪くない編
Jam著、名越康文監修
サンクチュアリ出版

 

 

 

不安の解は自分の中にある

呑気と見える人々も、心の底を叩いてみると、どこか悲しい音がする。

これは、夏目漱石の「吾輩は猫である」に出てくる有名な一節です。人の心の底には、孤独や不安や悲しみがあって、自分も、あの人も、みんなが奥底に抱えて生きているのだと思います。

自分が悩んでいるときも、相手は楽しくパフェを食っているかも知れません。また、こちらが悩んだとしても相手が気にするわけではありません。そのように考えれば、こちらが一方的に気にしたり悩んだりすることは時間のムダと考えることができます。

人の悩みは色々な種類がありますが、その多くは対人関係に起因するといっても過言ではありません。対人関係は、その相手との接点を閉じることで変えることが可能です。ところが、孤独によって引き寄せられる悩みも同じくらい多いのです。孤独から発生する不安は尽きることがありません。

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このような時に、本に解決策を求める人がいると思います。「自己啓発」などはその典型で読み終わった後はスッキリしますが根本の問題が解決するわけではありません。なかには、洗脳させる宗教っぽいものもあります。気持ちに余裕がありませんから、冷静な判断ができません。いつの間にか信者になっていたら悲劇です。

そのような類の本を否定するわけではありません。自ら考えることをしなくなり、疑問を感じることなく受け入れてしまうことが問題なのです。本書にはそのような行動を抑制させる働きがあります。悩みは自分で解決するしかないことを明確にしているからです。

不安や悩みは、カウンセラーに聞いてもらうのではなく、自らの中に解を見つけなければいけません。「うさん臭い」「中身がない人」のくだらない本を読むくらいなら、本書に目を通したほうがはるかに有益でと言えます。

独り相撲に勝ち目はない

対人関係における否定的な感情は、自分が勝手に気持ちや状況を想像しているだけです。このような時には「あーあ、相手の気持ちを想像すればするけど不安になる」と放っておくのが一番です。把握できない相手に独り相撲をとっても勝ち目はありません

本書には、日常によくあるイライラやその本質、対応策が分かりやすく解説されています。悩みが発生したら「みんなパフェ食ってるかもね」と言い聞かせるようにしましょう。ずいぶん楽になります。答えは「自分の中」にあり、人生を生きるのは「自分」なのですから。

この本眺めているだけでも、ちょっと気が楽になります。