日本の漁獲量が激減しているのはなぜなのか

結論書いてない東洋経済の記事を読みまして

「魚が獲れない」は世界で日本だけという衝撃事実世界で見ると漁獲(生産)量は2億トンに倍増

この記事ですが、結局結論は書いていない。著者の方の略歴を見ますと「2015年水産物の持続可能性(サスティナビリティー)を議論する国際会議シーフードサミットで日本人初の最優秀賞を政策提言(Advocacy)部門で受賞。」とあり、著作にも『日本の水産資源管理』というのがあり、どうも「日本は稚魚を乱獲しているので資源が枯渇している」という結論に持っていきたいように見えます。

この記事はヤフーや読売新聞にも転載されていました。

↑こちらは音声版。内容は詳しいですがデータを付けられないのでブログではデータでぶん殴りまくることにしています。

わたしは釣りもやってまして、昔はシマノのカタログにも出ていたり、釣り雑誌に連載もしていました。著作もあります。プレジャーボートの団体の理事もしてまして、漁協との交渉もしたことがあります。

で。本当に日本の漁業資源は枯渇して小型化しているの?

こちら、わたしが3.11後に仕事に復帰して最初にコンサルした釣り船さんです。東京から車で1時間の茅ヶ崎なんですけど・・・・


ここ数年。相模湾ではデカいマグロがウヨウヨ回遊し、カツオにいたってはことしはマグロのような10kg級の巨大なのが釣れまくりました。

わたしも東京湾でタチウオのジギングをたまにやるんですが・・・・

東京湾では昔釣れなかった太刀魚が140cm級まで1年を通してこんな感じで釣れます。オッサンですみません。

釣りをしていると、どうも昔の比じゃないくらい釣れるんですよ。もちろん技術が進んだということもありますが・・・

釣り人絶賛激減中・・・・少子高齢化の影響が大きいです。特に船釣りは釣りバカ日誌の浜ちゃんのような土建業の人が多かったのですが、高齢化で船に乗ることもできなくなって激減です。遊漁船もいけてるところは新造船を作っていますが、兼業のところは船が老巧化して客もガラガラ・・・・

毎年、遊漁船も漁協組合員も減っています。遊漁船は安定収入が見込めますが客商売のサービス業なので若い船長(といってもせいぜい60歳未満)がメインです。


ここまでは釣りの話。どうも釣り人が激減している。そして魚は近年凄く釣れるようになっているという話です。もちろん魚種にもよりますけどね。

唖然とする日本の漁業

なぜ、世界で唯一、日本の漁獲量は減っているのか。コレを見たら誰でも分かる。水産庁の資料です。

ここ40年で漁船、1/5になってますけど??

実際に漁港に行ったら分かりますが、首都圏の遊漁船のところはまだしも、北海道なんて税金で作られた立派な、でーーーーーーーーーっかい漁港に船がまばら。陸に揚げられて廃船になっているものも多いです。

で、肝心の漁師さんは・・・・

 

ここ30年で漁師、半分になってますけど??

しかも高齢化が凄い。自営の方で一番多い年齢層は75歳以上・・・・・ww これ5年前ですからいまは80歳以上。

雇われ、つまり大型船とか遠洋とか養殖ですと

それでも60~64歳が最多。これ5年前ですからいまは65~70歳。

日本の漁業の衰退は少子と超高齢化!!!

就業者が爺さんばかりになって、しかも数が半減しているのに漁獲量が変わらなかったらその方がおかしい。爺さんたち、化け物です。

日本のほぼすべての悪い事柄は少子高齢化で説明ができる

このように日本の漁業の水揚げが減っているのは少子高齢化による就労者数の激減にあることが説明できます。

農業とて同じで農業従事者数はこの20年で半減

年齢はというと・・・

2019年で65歳以上が7割・平均年齢66.8歳ですからいまは70歳超えました。
農家などの激しい労働では75歳を超えると引退する方がどっと増えますので、あと5年もすると日本の農業はエラいことになります。

先日取り上げましたけど、少子高齢化の影響が大きいのはあまり高齢まではできない業種で

建設業なんてもはやとんでもなくヤバい!!

田舎に金を撒きまくって作った公民館や温泉やグラウンドや橋やいろいろな施設は、いま修復しようにも人がいないし金も無い。すでにどれを残してどれを廃墟にするか、選別にはいっています。

この後に及んでいまだ高齢者に金を撒こうとして少子化対策を全くしようとしない政府には呆れるばかり。野党も国葬や統一協会よりなんでこれをやらんのか。ああそうですね。これだからですね。わかりました。日本は終了しちゃいますね。


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2022年9月15日の記事より転載させていただきました。