文化を優先させる地域活性:『過疎再生』

その町の風景は、その町の価値。私たちが大切にしているものをひと目で伝えてくれる。風景は次の世代への贈りもの。今すぐ利益を生まなくとも、長い目でみれば利益を生むものになる。古民家の修繕は家の声に耳を傾けながら。住んでいた人の暮らしに思いを馳せながら。(p129)

地域の暮らしの豊かさや誇りが観光になる「生活観光」の時代。ゆっくりとなだらかに成長していくのが、地方経済の黄金成長率。目先の利益を追ってピークをつくってはいけない。とにかくたくさん人が集まればよい、という考えは誤り。町にはキャパシティがある。(p156)

この町の若い人たちが自ら暮らしや仕事を発信してくれたことで若い人が集まるようになった。若い人たちは単に収入だけでなく、稼ぐこと以上に有意義なことを求めて、地方に移住している。(p186)

地域活性化の関係者であれば知らない人はいない群言堂のデザイナーである松場登美さんの近著です。群言堂がある島根県大田市大森町は石見銀山がある町として知られていますが、世界遺産となったことにいかに抗って、町を守ってきたかも書かれています。

石見銀山 群言堂 公式サイト │ オンラインストア
世界遺産・石見銀山のある町(島根県大田市大森町)より、根のある暮らしを楽しむライフスタイルを提案しています。石見銀山 群言堂の公式サイト・オンラインストアです。

「文化51%経済49%」という松場さんの考え方が参考になります。経済がなれけばその地域で暮らし続けることはできません。しかし、その経済の源は、その地域と人の文化にあります。経済はあくまで一つの手段。文化を念頭におく考え方は、全ての地域の参考になります。

田村市での暮らし

移住する前は横浜駅から電車で約10分の住宅街に住んでいた白石孝行さん、ちひろさん一家。2022年4月に3人のお子さんと自然豊かな景色が広がる田村市滝根町に移住しました。現在は空き家バンクに登録されていた物件を借り、家族で改修をしながら暮らしています。

5年間探して見つけた理想の移住先。空き家を改修しながら暮らす、田村市での新生活
移住する前は横浜駅から電車で約10分の住宅街に住んでいた白石孝行さん、ちひろさん夫妻。2022年4月に3人のお子さんと自然豊かな景色が広がる田村市滝根町に移住しました。現在は空き家バンクに登録されていた物件を借り、家族で改修をしながら暮らしています。そんな白石さん一家に、空き家を

横浜から田村市に移住し、補助制度も活用しながら、新しい暮らしを営まれている白石さん家族の様子を、移住支援センターでレポートしています。移住先を迷われた中、田村市のことがピンときて決められた様子を話されています。田村市は郡山からも近く、程よい田舎であることが人気です。10月には、「農ある暮らし」をテーマにした一泊二日のツアーも用意されていますので、関心ある方はぜひ御覧ください。

https://mirai-work.life/topics/2312/

編集部より:この記事は、一般社団法人RCF 代表理事、藤沢烈氏の公式note 2022年9月19日の記事を転載しました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は藤沢氏のnoteをご覧ください。