決算特別委員会(区民生活領域)の質問では、前回報告したインクカートリッジとリチウムイオン電池の回収方法についてのほか、区民の方から相談があった「世田谷市民大学」の問題についても質した。
市民大学は生涯学習の一環として、世田谷区が1981年から開校しているものである。一部の講座は、受講生のボランティアによって構成される企画会議で、授業内容を決めることができるようになっている。ひえしまにあった相談とは、この講座のなかで安全保障について受け持った講師が、授業で特定政党の主張を繰り返し、受講生と口論になったというものだった。
本来、市民大学(本当は「区民」大学と呼ぶべきだと思うが)は、政治的中立性が担保されなければならないはずである。それにも関わらず、参院選を控えていたからと言っても、講師が「推し」の政党の見解を一方的に言い募って良いわけがない。それに、この市民大学はかねてからいろいろと問題があったようである。
世田谷市民大学で天皇退位につき講演。開始早々、三種の神器につき説明しようとすると聴衆の一人が「そんなことはどうでもいいから早く先に進め」と発言。つられて別の一人が発言。憮然とする。後半には最初に発言した人が講演中に何度も教室を出たり入ったりする。集中力を持続させるのが大変だった。
— 原武史 (@haratetchan) December 22, 2017
一般のカルチャースクールもそうだが、こういった類いは往々にして、一部の古株で声の大きい人の意見が通りやすいものだが、市民大学もご多聞に漏れなかった。しかし、受講生企画会議でそういった人の意思がまかり通ったとしても、名だたる大学教授ら12人で構成されている運営委員会がチェックすることになっているのだから、仕事が甘いと言わざるを得ない。というか、機能しているのか甚だ疑問である。
そうであれば、受講生のみならず広く声を聞くために「意見箱」を設置しているとのことだが、どこまで届いているのか心もとない。市民大学については、他にも声を頂戴しているので、調査の上、機会を捉えて取り上げていきたい。