さて、やっとのことで鎖国が解除され、ワクチン3回打ってないと実質的に来るのは無理という謎ルールはありますが、それでも
「やっと日本来られた」 成田空港で笑顔 きょう水際対策緩和 訪日客の「個人旅行」解禁 円安も追い風に
という明るいニュースです。
インバウンドがどっとくるとどんな良いことがあるか
インバウンドの予測についてはコロナ前は6000万人くらいは見込めるとされていましたが、コロナでこうなっています。
ホリエモンは3億人は呼べるといってるそうですが、わたしはそれはちょっと無理としても1億人くらいはイケるのではないかと思います。イタリアにはイタリアの人口の2倍くらいの観光客が来ていますので、日本も3億というのは夢じゃないのですが受け入れる環境がありません。これについては後述
中国人観光客はしばらく来ません。コロナの馬鹿げた規制を世界で唯一している国になりましたが、習近平は昔の文化大革命くらいの思想の締め付けをしており、海外に大挙して押しかけて思想に染まって帰ってくるのを望みません。よって中国以外のアジアの富裕層(知らない人が多いのですが、もう日本人の想像しているレベルではありません)や欧米人が中心になると考えられます。
1 お金を使ってくれる
当たり前ですが、日本に来るには円で宿泊や交通機関やアクティビティを予約します。買い物や食事も円でします。 5000万人が50万円使ってくれれば25兆円です。25兆円の円が買われるわけですから、少なくとも円高に振れます。円安になったとしたら観光客は大喜びでさらに買い物をして帰ろうとしますので願ったり叶ったりです。
テレビで「そもそも観光客は予算が決まっているから円安でもたくさんお金を使うことなどない」と言ってる人がいましたが、なにをいってるのか。1ドル85円のスーパー円高のときはハワイで買い物しまくったし、バリで1円150ルピア(いまは100ルピア)のときはふだんいかない高級レストランに行きましたし、ガイドには円でチップも渡しました。ついでに次回行くときのためのルピアまで買ってきました。
2 活気が出る
今の日本は凄い閉塞感です。コロナ禍で現役の超過自殺は8000人と推測され、いまだにマスクが任意のはずが強制されアクリル仕切り板だらけ。接触感染は殆どなかったと発表されているのにアルコールを吹き付けられる。修学旅行や運動会もダメ。いまだに小学校の給食はアクリル仕切り板で黙食。これでテンションが上がったら相当におかしい。
しかし10月からの旅行補助金で国内旅行は予約殺到。ここに海外からの明るく陽気な観光客が押しかけてくれば、景気の高揚感はあがり、ムードが反転する可能性があります。景気はマインド。経済はマインドで動きます。
インバウンドに向けての日本国内の用意がたりない
このあたりについては木下君のVoicyでも散々触れられています。
わたしは以前からちょっと持っているネタから、欧米やアジア富裕層のインバウンドを本格的に勧誘するには以下の点を変えていく必要があると思います。
・値下げや安さでは惹けない
日本人の特に若年層をターゲットにしていると「安いが勝ち」のようなイメージを持ちがちです。田舎の高齢者をターゲットにしているサービスも同様です。しかし中国からの団体客とは違い、欧米やアジアの富裕層は個人旅行なのです。ここを留意しないといちばんいい層を取りこぼします。
・旅館はこのターゲットには向かない
日本の旅館は基本的に1泊用です。しかしこれからのインバウンドは基本的に長期滞在です。旅館のコース料理はどんなに豪華でも毎日は日本人でも飽きます。観光バスでやってくる中国人観光客は喜んでくれたのですが、その層はもういません。
○晩ご飯の時間が外国人から見ると異様に早い 夕方5時とか6時は・・・
○食事が必ずセットになっている
○ご飯を食べた後にバーで飲めない 欧米人は夜に必ず飲みたがります
そして・・・・
○欧米ではあり得ない家族で一部屋・・・・・
欧米では子どもが小さいときから別の部屋で両親とは一緒に寝ませんよね。ましてやそこそこ大きな子どもと親が1つの部屋というのはあり得ないのでホテルでは別部屋です。1泊なら面白がるかもしれませんが、長期滞在はキツいです・・・・
実はスノーボードの世界では、オーストラリア人やアメリカ人はニセコですが、ヨーロッパからのスノーボーダーの憧れは長野の野沢温泉です。昔ながらの温泉がたくさんあり、ニセコのように欧米っぽくない。ここにヨーロッバからのインバウンドを呼ぶヒントがあると思います。
ちょうどヨッピーがレポート書いていました。
長野の野沢温泉が最高だったけど、外国絡みの問題で色々難しいところもあるみたい
個人客の集客は旅行代理店経由とは違う
一番違うのが集客で、個人客はAirbnbがメインです。これは東南アジアも同じ。日本の旅館やホテルも登録できるのに、まだまだ登録していないところが多い。絶対に登録すべきです。
また、個人客の場合、飲食店や宿泊は口コミを見ての訪問が非常に多い。TripAdviserは必須だし、自社サイトの英語化やメニュー、近所の見所ガイドブックの英語化は必須でしょう。このあたり、ブログで書くにはあまりに多すぎて無理です。仕事でやってみたいなあ・・・・・・。依頼来ないかなあ・・・w
編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2022年10月13日の記事より転載させていただきました。