世界研究者ランキング:だんだんと遠ざかる科学立国日本の夢

Research.comから世界研究者ランキングが公表された。

Best Scientists in the World 2022 Ranking より

トップ1000の研究者のうち、10名以上の研究者がリストアップされている国を上位から下表に並べたが、圧倒的に米国、そして、英国の研究者が多い。

科学のすべての領域の研究者を含んでいるので、比較は難しいが、数字は数字だ。

評価の高い英文雑誌を握っている米英が高く出るのは当然かもしれないが、英語という土俵で戦っている以上、仕方がない。科学立国日本の夢はだんだんと遠ざかっていく。

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今は、日・中は僅差だが(しかし、中国より下だ)、あと20年もすれば中国は英国を追い抜き、米国に肩を並べるだろう。そして、日本人はリストから消え去っているかもしれない。

私たちの世代は「欧米に追い付け、追い越せ」といった明治維新に近い気概があった。私の誕生日は12月8日なので、この意識はなおさら高い!しかし、若い人たちと話をしてもその日を楽しめばいいといった感じで、私のような人間は鬱陶しいと思われるだけだ。

世代間で何かが違っているのは確実だが、何が違っているのかはわからない。政治家を見ていると、自分のことしか考えない人が多く、国のために、みんなのためにという気持ちが伝わってこないので、若者が大人を見て無力さを覚えているのかもしれない。

要領よく、上司の覚えがいい人たちが重用されれば、まじめに取り組んでいる要領の悪い人の気持ちは萎えてくるかもしれない。

医療分野では、最も重要な要素である、困っている、苦しんでいる人たちに尽くすといった根源的なものを置き去りにしてきているような気がする。自分の名誉や地位だけしか追い求めない上司を見ていれば、若者は目的を見失うだろう。

教室や組織のトップを見て心ある人たちの支えが折れるのでは、日本の将来は暗い。しっかりとした評価ができる人を育てる、これができなければ、日本の明日はない。


編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2022年11月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。