サッカーW杯!日本代表はドイツ代表の弱点を突けるか?

FIFA主催のサッカーワールドカップ(以下、W杯)、開幕しましたね。

みなさん多忙な11月…ということもあって、さらに森保ジャパンの期待度もイマイチということもあって、国内の盛り上がりは今一つのような印象です。

さらに格下と見られていたカナダ代表とのテストマッチに破れたことでますます盛り下がった印象です。

ですが、テストマッチは手の内を隠すものです。あえて弱点を晒して、そこを狙わせて裏をかくという作戦もありえます。

何より、今大会は日本代表が初めて経験する「真のW杯」です。

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勝敗はともかく、どこまでやってくれるか応援して盛り上がらないともったいないです。

そこで、忙しい方のために23日ドイツ戦の見どころをシンプルにご紹介しましょう。

試合が行われるハリーファ国際スタジアム emson/iStock

ドイツ代表は逃げ出したくなるほど強い?

まず、日本初戦の相手であるドイツ代表ですが、誰もが認めるサッカー大国、今大会の優勝候補です。選手のほとんどが「チャンピオンリーガー」です。

チャンピオンリーガーとは世界最高峰とされる欧州チャンピオンリーグに出場する選手のことです。日本では今ひとつ知られていませんが、世界的には栄誉ある称号です。

対する日本はと言うと…長友佑都、南野拓、鎌田大地、伊東純也、酒井宏樹、前田大然、守田英正…26人の代表選手の中で片手に収まる程度です。

データサイト『tranfermarkt』が試算するチームの市場価値(代表選手の推定移籍金の総額)は出場チームで6番目に高い7億4050万ユーロ(約1002億円)。対する日本は7715万ユーロ(約104億円)と約10分の1という寂しい状況です。世界的な強豪バイエルン・ミュンヘンで活躍するMFヨシュア・キミッヒの8500万ユーロ(約115億円)だけで日本代表全員を上回るという格の違いです。

圧倒的な戦力差と言ってよいでしょう。

あなたがサッカー選手だったら、いかがでしょうか?数字だけ見れば、大敗して悔しい思いを抱える可能性が高い状況です。

嫌な思いは避けたいものです。ここで逃げ出したくなったりしませんか?

宮本武蔵の『五輪書』の精神で勝ちを拾おう!!

森保ジャパンはそんな圧倒的に不利な戦いに挑むのです。サムライ魂というと怪しげな表現になりますが、宮本武蔵の『五輪書』の精神でまさに僅かな勝機を掴む戦いになることでしょう。

ある意味では「精神戦」とも言える戦いになることが必至なドイツ代表戦ですが、ドイツ代表にも弱点があります。そして日本にもアドバンテージがあります。

日本代表が勝機を掴むには弱点をついてアドバンテージを活かすのが一番です。そのためのポイントをご紹介しましょう。

それは「柔よく剛を制す」、かつてドイツのブンデスリーガを席巻した元日本代表・香川真司選手のようなプレーです。図のような展開に持ち込めば、日本の勝機が広がります。

図:大柄なドイツ代表は自陣で密集させられると機敏に動けなくなる

小柄であることのアドバンテージとは?

ドイツ代表の平均身長は185cmを超えています。長身は一般的にはスポーツにおいて有利ですが、力学的にアジリティ(俊敏性)が下がることが宿命です。

また、自陣地に攻め込まれて団子状態、すなわち密集になるとアジリティが低いという弱点を露呈する傾向にあります。まるで大きな体を持て余すかのように小柄で機敏なドリブラーや俊足ストライカーに翻弄されます。

日本の伝統的なアドバンテージを活かしたサッカーができるか?

これをブンデスリーガで実現したのが香川真司だったのです。日本代表はサッカー全般で見ればドイツ代表に敵いませんが、伝統的に機敏に動く日本人ドリブラーを苦手とする傾向があります。これは元日本代表・水沼貴史の時代からの日本の強みです。

日本の平均身長は178cmですが、相馬勇紀が166cm、久保建英、浅野拓磨、前田大然が173cmなど、前線の攻撃陣に小柄とされる選手が多いのが特徴です。特に相馬勇紀と久保建英は稀代のドリブラーです。香川真司がブンデスリーガで魅せたプレーを再現してくれるかもしれません。

また、今の日本代表は技術的に高い選手が多いので、機敏なドリブルにドイツ選手同士の間(“ゲート”と呼ばれます)を突くパス回しが加わればもっと効果的に翻弄できることでしょう。

要は日本の勝機はドイツ陣内でドイツ代表選手らを団子状態に出来るかどうかにかかっています。このような戦い方を森保監督が、代表選手がしてくれたら、私たちにとって本当に盛り上がる真のW杯になることでしょう。

もちろん、俊足ストライカーを揃えているので、多くの評論家が予想するように粘り強く守ってカウンター狙いという作戦も有効だと思います。ですが、小柄なアタッカーを揃えたアドバンテージであるアジリティ勝負に持ち込むことも有効な方法だと言えるでしょう。

さあ、日本代表の戦いぶりを楽しみに待ちましょう!