ドイツ代表に2-1の逆転勝ちをおさめた日本代表。世界11位で優勝4回の優勝候補、そして市場価値(選手の推定移籍金の合計)は日本の10倍というとんでもない強国に勝利したことで、日本中が大フィーバーでした。
特に渋谷はDJポリスが出動するほどすごい騒ぎになっていたようです。敗戦が予想されていた超大国に勝ったのですから、ある意味で当然ですよね。
僭越ながら筆者は前記事でドイツ代表への勝ち方を予想していました。
後半はまさに筆者の予想通りの形が作れていました。前半はドイツ代表に怖気づいていたようでしたが、日本代表の実力が発揮できて良かったです。
コスタリカ代表戦は心配いらない?
そのせいか、次のコスタリカ代表はあまり心配されていない印象です。
スペイン代表との試合で0-7の悪夢とも言える戦い方をしたことで、「なんだ、弱いじゃん」なんて思っている方もいるかも知れません。
ですが、これはとんでもない話です。今すぐ、認識を改めましょう。
コスタリカ代表、FIFAランキングでは31位と日本代表の24位よりも下に位置していますが、ワールドカップ(以下、W杯)における実績は最高でベスト8進出と日本より上なのです。
しかも、ベスト8に進出した大会は2014年ブラジルW杯・・・。そう、本田圭佑、長谷部誠らが率いる日本代表が「俺達のサッカー」を掲げて1勝もできずに大惨敗した大会です。
実は相当強いコスタリカ代表
その大会で、グループリーグではイタリア、ウルグアイ、イングランドという優勝経験のある3ヵ国と同組になりながら堂々の一位通過。日本はW杯の舞台で優勝経験国に今回はじめて勝利したわけですが、この大会のコスタリカはイタリア、ウルグアイに勝利し、イングランドに引き分けるという成績です。W杯優勝経験のある2ヵ国を破っているのです。
強い国を破れるということは、勝ち方のスタイルを持っているということです。ずばり、名ゴールキーパーを生み出す土壌があり、粘り強い守りから稲妻のようなカウンターアタックを繰り出すというスタイルです。
実際、スペイン代表戦ではピンチの数は数しれず、レアル・マドリードで欧州チャンピオンズリーグ3連覇の立役者となった名ゴールキーパー、ケイロル・ナバスを中心に硬い守備を最後まで披露していました。
日本代表の負けパターンと相性が良すぎる?
日本代表だったら完封されることも想像できてしまうほど、パワフルで粘り強い守備でした。ということは、攻めても攻めても得点が奪えない・・・という「攻めさせられる」時間を重ね、「攻め疲れ」の状態から一瞬のカウンターで失点する・・・という日本の負けパターンも想像できます。ロシアW杯のベルギー戦の敗戦も、相手のタイプは違いますが同様のパターンでとどめを刺されています。
さらにこれまでの実績の差から、コスタリカ代表は日本代表を格上などと思ってくれるはずがありません。むしろ自分たちが格上だと思っていることでしょう。
となると、スペイン代表に大敗したことで、もう後がないコスタリカ代表は日本代表に対してスタートから猛攻を仕掛けてくることでしょう。
つまり、コスタリカ代表を1ミリでもあなどろうものなら、確実に日本代表はやられることでしょう。
仮に先制点を取られようものなら万事休すです。コスタリカ代表が守備に徹して1点リードの守りに入ったら・・・。残念ながら日本代表にはスペイン代表ほどのフィニッシュの精度はありません。守りに徹したコスタリカ代表を相手にすると、ゴールを奪えるチャンスはほとんど無くなると言ってもいいでしょう。
コスタリカ代表はリスペクトしなければなりません
これはもうスペイン代表選の敗戦は、コスタリカ代表が弱いというのではなくスペイン代表が強すぎたと言うべきです。コスタリカ代表はスペインが強すぎてサッカーをやらせてもらえなかった・・・と言うべきなのです。
日本にはスペイン代表ほどの実力はありません。したがって、日本はコスタリカ代表をしっかりとリスペクトして、コスタリカ代表の良いところを消す準備から行うべきでしょう。
では、日本はどう戦えばよいのでしょうか?
これはまた別記事で詳しく解説しますが、日本代表が確実に勝点を積み重ねることを期待して、応援を続けましょう。
私達がますます熱くなれるW杯でありますように!!
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杉山 崇(脳心理科学者・神奈川大学教授)
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