東京23区は「おひとりさまの街」になる

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インナーサークル資産設計実践会の投資戦略に関して、不動産のデータ集めをしていたところ、東京の人口流出入に関して驚くべきデータを見つけました。

図表はニッセイ基礎研究所がまとめた2022年1月から9月の東京都の女性の年齢別転入転出の数字です。コロナ禍で人口流出が懸念されていた東京ですが、今年に入ってから再び東京に人が戻ってくる流れが続いています。

2022年1月〜9月 東京都における女性人口の社会増減(人)
ニッセイ基礎研究所より

今年の1月から9月だけでも東京都の人口は40,291人の転入超。その中で女性は23,698人の転入超となっています。

しかし、その内訳を見ると、5歳刻みの年齢別で転入超になっているのは15歳から29歳までの3区分だけです。それ以外は全て転出超になっています。

これが示唆するのは、東京に出てくる女性は、大学や専門学校に入るためや、会社に就職する人が多い。そして30代以降になって結婚して子供が生まれると、東京から転出する傾向があることです。

女性にとって魅力的な学校や職場が東京以外には、あまり存在しないことを意味しています。

また、転入する人たちは、ほとんどが単身者で、家族ができると転出する傾向が高まることもわかります。

このようなデータを見ると、東京が「おひとりさまの街」になりつつあり、ファミリー層はその周りにドーナツ状に住むような「棲み分け」が起こり始めていると考えられます。

実際、私の周りにも鎌倉などの湘南や流山のような千葉などに転居する知り合いがいますが、ほとんどは既婚者です。単身者で郊外に引っ越しても戻ってきてしまう人が多いのです。

利便性から単身者にとって一番住みやすいのは、やはり東京の都心部です。

という訳で、都心部のワンルームのニーズはこれからも高まっていくのではないかと改めて確信しました。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年12月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。