ロレックスを買うなら現行品ではなくアンティークにしなさい

内藤 忍

アンティークロレックスの専門店から、1980年代の腕時計を購入しました。

アンティークロレックスとは、現在は生産されていない古いモデルのロレックスです。ロレックス自体、腕時計としては、世界で最も人気の高いブランドです。

現行品と呼ばれる今も正規で販売されているモデルは品薄で、正規販売店に行ってもほとんど在庫はありません。中古ブランドショップではプレミアムを付けて販売されています。これはエルメスのバーキンなどと同じ現象です。

現行品を求めて購入して値上がりを待っているような投資をしている人も増えているようです。しかし、現行品は使用すると中古品となってしまい価値が下がります。箱も傷が付かないように大切に保管する必要があるのです。

また、同じモデルを持っている人が多く、会食やパーティに出かけると被ってしまうことも珍しくありません。港区でモンクレールの黒いダウンを着ている人と同じように「痛い状態」になりがちです。

その点、アンティークは一点もので、同じモデルをしている人に出会うことは、ほとんどありません。また、古くなると文字盤の焼け具合に個体差が出てきて、より一点ものとしての価値が高まります。

使用することで価値が落ちることもありません。大きな傷を付けたりするようなダメージが無ければ、普段使いしながら価値の上昇を待つことができます。

そして、時計に詳しい人には、想像以上にインパクトがあるようです。先日とあるブランドの店頭で商品を見ていると、店員さんから

「見たことのない素敵な時計をしてますね」

と声を掛けられました。

単に金無垢で派手で目立っていただけかもしれません。でも、気のせいかその日はいつもより接客が丁寧に感じました。もしかしたら、購買力の強い上客だと思われたのかもしれません。

アンティークロレックスも、古いモデルになるとメンテナンスの履歴や、部品の交換なども価値に影響してきます。また、偽物が紛れ込んでいることもあると聞きました。

ネットで購入したりしないで、実物を見て信頼できる専門家に相談して、最終判断すべき商品です。

時計自体にはあまり興味は無い方ですが、時計の持つ影響力は面白いと思いました。また、気に入ったデザインのアンティークロレックスがあれば買い足していきたいと覆います。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2022年12月11日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。