令和5年の年頭にあたって

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令和5年、2023年の年頭を迎えるにあたり、一言、所感を述べさせていただきたいと思います。

世界経済の先行きに不透明感が漂い始め、台湾周辺や南シナ海、ウクライナなど、中国やロシア等の軍事大国が武力による現状変更への野心を隠さなくなった実態が顕著となり、また地球規模の課題として、気候変動、食糧の需給、新たな感染症危機など、多くの分野で危機の可能性が指摘される。2023年、その意味で我が国にとっても、世界にとっても、未曽有の危機に直面する可能性を孕んだ、そんな年明けです。

数年前、新型コロナウィルスによる感染症が世界をここまでの混乱に陥れるとは、そしてロシアがウクライナを侵略するとは、中国が香港の自由を強硬な手段で不法に奪うとは、誰も予想していなかったはずです。そして経済においても、3年前、世界的にここまでのインフレになるとは誰も想定していませんでした。まさに、想定以上の衝撃をもたらす危機が、想定以上のスピードで進む、そんな状況が頻発しています。

こうした先行きが不透明な時代だからこそ、経済においては、こうした「変化」をピンチではなくチャンスとして活かし、一人ひとりが潜在的な力を最大限発揮できるような環境を創っていけるような役割が政治には求められます。

変化の時代にあって、政治に求められるのは、民間の挑戦を、一人ひとりのチャレンジを阻害しないための規制緩和・規制改革であり、変化を正確に把握し、既存の常識にとらわれることなく変化のその先を見据えた大きな方向を打ち出せるような制度の大胆かつ抜本的な改革です。

変化の時代だからこそ、政治や政府は、国民一人ひとりが守りではなく攻めに転ずることができるような環境を整え、不運にして変化への対応に失敗した場合でも誰もが何度でも挑戦できるようなセーフティネットを提供すること、そこに特化するべきです。既得権を守る圧力や変化を好まないムードの中で、守りの姿勢に注力するあまり、変化を止めてしまうような政策は、断固排除していかねばなりません。

同時に、そのためにも、安全保障環境や地球規模の様々な課題に対しては、そのリスクを最小化し、万一のダメージをコントロールし、その不確実性を少しでも減らすことができるような対応が求められます。まさに、中国リスクやエネルギー供給、気候変動、パンデミック、食糧問題などは、政治や政府が最優先の課題として国際社会を主体的に動かし対応すべきものです。G7の議長国という機会でもあり、国際的な議論や枠組み作り、ルール作りをリードしていくことが重要です。

この難局にあって、与党の一政治家として、私も微力ではありますが、日本の未来の為、全力を尽くしてまいることをお誓いし、年頭にあたっての所感とさせていただきます。

令和5年1月1日 鈴木馨祐

※ なお、公職選挙法第147条の2の規定により、政治家(およびその候補者となろうとするもの)が年賀状を含むあいさつ状を出すことは禁止されております。ご理解いただけますよう、お願い申し上げます。


編集部より:この記事は、衆議院議員の鈴木馨祐氏(神奈川7区、自由民主党)のブログ2023年1月1日の投稿を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「政治家  鈴木けいすけの国政日々雑感」をご覧ください。