岸田首相がこの度、異次元の少子化対策を打ち出してきました。しかし、新型コロナ禍を経て日本の出生率の減少に拍車が掛かった今、わが国が人口減少を止めることはもはや不可能ではないでしょうか。25歳の一国民として言わせてもらうと、これらの政策が増税という形で自分たちに跳ね返ってくるのがあまりにも明確で、全く希望が持てません。
そこで、人口減少社会に向けて軟着陸を目指していくことが、我々が取りうる唯一の選択肢では無いでしょうか。このプランでまず取り掛かるのは、社会保障制度の廃止です。
少子化の一番の問題点は社会保障の持続不可能性です。現状で異常な額の社会保険料を取られているにもかかわらず、それ以外に毎年50兆円もの税金が投入されており、すでに制度が成り立っていないことは明白です。これを持続可能なものにすることが求められますが、さらにその先を目指すこと、つまり廃止することが重要であると考えます。
医療保険については、なるべく早く民営化までの法整備を進め、段階的に廃止していくのが望ましいでしょう。民間の医療保険に加入するのが難しい(保険料が極めて高額になる)高齢者の扱い方は考えなくてはいけませんが、高い自己負担率で高齢者のみ保険制度を残してもいいかもしれません。その際にはさらなる増税ではなく、既存事業の廃止で財源を用意すればいいでしょう。
一方の年金保険については、すでに財産権が発生してしまっている以上、強引に店じまいすることはできませんが、こちらも給付開始年齢の引き上げや給付の削減により支出を絞りながら、すでに発生している財産権に応えていくことが望ましいでしょう。今後の保険料の徴収については中止し、可及的速やかに民営化するべきでしょう。
さて、本題ですが、社会保障を持続可能なものにするだけではなく廃止するべきであると考えるのは公平な社会を目指すためです。そもそも社会保障を国家が運営する必然性は皆無ですが、人口減少社会では、社会保障制度は世代間対立を生むため公平性を担保することができません。自分達だけ得をすれば良い高齢者が、強い政治力を持って将来に負担を先送りするからです。
また、国家による私有財産権への侵害を排除した先にあるのは、国家があらゆる領域で市民生活に関与しない自由な社会です。きっと選択的夫婦別姓も実現し、移民も多く入ってくることでしょう。この段になるともしかしたら、若い人口が増え、出世率が劇的に改善し、日本の人口が増えたりするかもしれません。
【参考文献】
厚生労働省, 給付と負担について, 2023年1月8日
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小鹿原 一来(おがはら いつき)
1997年、船橋市生。アクセンチュア株式会社テクノロジーコンサルティング本部アナリスト。一橋大学大学院経済学研究科修了後、新卒で入社した学校法人グループを1年半で退職し、現職。
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