配偶者の存在は、人生の「生きがい」になるのか?

少し前のブログに、人生の幸福度を高めるには「味わって食べる」「経験を味わう」「自然と触れ合う」の3つが大切という研究結果があると紹介しました。しかし、そこには落とし穴があるそうです。

短期的な視点で、瞬間的な自分の幸福感だけを求めようとすると、逆に幸福になりにくい。「幸福感を求めると幸福感を得られない」というパラドックスに陥ってしまうのです。

それを避けるためには、中長期的視点と持つことと、自分の幸福だけではなく他者の幸福の実現も視野に入れることが大切としています。

人間とは長い人生を過ごしながら、他人との関わりの中で「生きがい」を見出そうとする社会的な存在です。今現在に、自分だけが幸せだと感じても、それだけでは「生きがい」と総称されるような、より大きな満足と得ることができないのです。

京都ノートルダム女子大学の大風薫准教授の分析によると、現役世代の男性では「高年収」「自営業」「有配偶」が「生きがい」を持つ確率を高めるとしています。

私は自営業で収入もそれなりにあるので、それらの点では生きがいを持つ可能性は高い部類になります。しかし、配偶者に関しては今はいません。

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ここで疑問に思うのは、果たして配偶者がいた方が生きがいを得ることにつながるかです。残念ながら、私は今までの人生で配偶者がいたことによって生きがいを感じるという経験は得られませんでした。

配偶者がいることによって、必ず生きがいが得られるとは限りません。私の周りを見ても、長年仲睦まじい夫婦もいれば、事実上崩壊している夫婦もいて、人それぞれです。

つまり、生きがいを得ることにつながる配偶者とつながらない配偶者がいるのでは無いでしょうか?

その違いは相手の問題ではなく、自分自身の相手との関わり方によると思います。生きがいにつながるような関係を自らが求め、そのために必要なことを実践しなければ、生きがいを感じるような関係性を構築することはできないのです。

このように幸福や生きがいの追求には個人による違いが大きく、試行錯誤の中から自分にとっての正解を見い出すしかありません。

だから、他者との比較や世の中の一般的な価値観に流されることなく、自分が求める幸福や生きがいを粘り強く探し続ることが大切です。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年1月10日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。