中国・台湾・HUAWEIなどを深田萌絵さんと議論

「日本の政治「解体新書」:世襲・反日・宗教・利権、与野党のアキレス腱」(小学館新書)ですが、おかげさまで好評なのですが、年末年始にAmazonでも二週間ほどにわたり品切れ状態でした。

最初は、「一時的品切れ。お届け日未定」なのですが、そのうちに、購入申し込み出来ない状態になり、古本が定価よりかなり高くになってたりしました。

しかし、昨日から、かき集めて普通に申し込みできるようになりました。

今回ご紹介するのは、小学館サライと深田萌絵TVのコラボで製作した動画の第三弾です。テーマは中国です。

詳しい内容は動画を見て頂きたいのですが、全体の趣旨と、あわせ、HUAWEIやTSMCの問題について厳しい論陣を張ってきたITアナリストの深田萌絵さんが何をいいたいのか、4分ほどで自分で要約紹介してますので、その部分をジャーナリストの清原勇記さんが書き起こしてくれました。

もちろん、私は中国や台湾の問題に外交的に関わってきたという立場も違うし意見も同じではありませんが、指摘のかなりは耳を傾けるべきと思いますし、あるいは、そういう面もあると頭に置いておくべきところです。中国とか台湾、もちろん韓国や北朝鮮を理解するのは、日本人の普通の尺度ではだめなのです。

日本の政治が駄目だから中国に負ける

平成のはじめに中国の8倍あったGDPが三分の一以下になったのは酷すぎです。たしかに、中国はまだブラック企業かもしれません。しかし、初任給から定年で辞めるまでに旧領が60%しか増えない居心地のいい企業と、35倍に増える企業では、後者を普通はとります。

これは中国がすごいというだけでなく、日本がだめだということです。しかも、中国だけに負けてるのでなく、世界最低クラスなのですから。

中国が悪いことしてるから日本は負けたと思いたい人もいますが、他の国は日本ほどひどく中国に負けてないのだから、理由になりません。

もちろん、日本も捨てたものでないということはできます。生活レベルは悪くない。しかし、それは、個人で云えば、親代々の財産を使い果たすつもりで結婚しない、子供もたない、持っても一人という生活するなら贅沢に暮らせます。日本人は国全体でそういうことをやって、過去の遺産を食い潰してるわけです。

財政赤字は国民のあいだで金回してるだけだから心配ないとかいうひともいるが、そんなものは、いま、国債買って積み増している人たちに、国債をたくさん持っていない人の子孫が返さなくてはならないことにかわりありません。たとえば、将来、社会保障が破綻してもたくさん金利を手にする人もいるから国民全体としては差し引きゼロでもありますまい。

また、小泉改革がいかにトンチンカンだったかも厳しく追及しています。道路公団や郵政の民営化の是非はともかく、それが日本でもっとも急を有する最大の課題だなど冗談みたいな話でした。

単に建設省の土木技官や郵政省の役人の大蔵省に対して態度が悪かっただけです。結果としてみても、高速道路の建設は不必要に遅れただけ、郵便サービスは致命的に低下しています。

ともかく、日本の政治には、どうして、こんな馬鹿なことして、未来に向かって負債をを積み重ねていることが多すぎるというのが、『日本の政治「解体新書」:世襲・反日・宗教・利権、与野党のアキレス腱』(小学館新書)の趣旨です。

深田萌絵さんが自ら語るHUAWEIとTSMC

それから、今回は深田さんを知らない人のために、HUAWEIやTSMCについて簡単に自身で要約を紹介してもらっています。メジャーなマスメディアは、あまりにも狭い範囲の言論しか紹介しませんが、その弊害はやはり大きいものです。

深田:そうですね。今回なぜ中国に日本が負けているのかという所なんですけども。経済成長に必要なものは資本の投入、労働の投入、技術革新のこの三つの柱があると思うんですけども。この技術革新が、絶えず中国に盗まれてきたことの一端を担っているのがアメリカ政府が問題にしているのがファーウェイなんですよ。

このファーウェイと言う会社の製品ですね。実はかなりの脆弱性があって情報が漏洩しているのではないかと言う懸念からバイデン政権はつい先日(2022年12月15日)に全面的にファーウェイ製品やZTE(中興通訊)製品など中国製品を国内利用で禁止した流れがあるんです。

それくらい本来であれば日本の政府も、日本の情報をコントロールし日本の技術情報と技術革新を中国に盗まれないようにすると言うところで、実はGDPを成長させられる技術が日本にあったのに、これまでしっかり取り締まって来れなかったことが、今の私が考える日本が経済成長出来なかった要因の一つにあるのではないかと思うんですよ。

このファーウェイ問題に私が気がついたかというと、そもそも10年以上前に習近平になる少し前くらいに、ITの仕事で中国に行くようになり、まさに大手の中国IT企業の監視カメラ企業でその中にはやはりファーウェイと共にアメリカ政府によって禁止された企業の社長さんともミーティングさせて頂いたけれども、聞いてる内容をみると、どう考えても世界中から情報収集するために彼らは製品を開発していたと。

そのことを色々と調べていくとアメリカの政府もファーウェイやZTEなどの中国製品が色々とアメリカ国内でも何か普通の民製品とは異なる動きをしていると言う背景を、察知したからこそ今回、ファーウェイ製品を全面禁止にすると言う動きになったんです。

ところが、日本政府は全くそう言ったアメリカでの国の国家安全保障の守ると言う動きに対して、歩調を合わせていないんですね。これがそもそも日本の問題意識の低さでもあり、同様にTSMCという台湾の大手半導体企業が日本に来てくれたというある一面、その大型の5000億円という補助金がついたからこそ地元も湧き立っていますし、半導体業界の企業も湧き立っているんですが、やはりその半導体の関わるメーカーの社長さんなんかは大きな声では言えないが、今回のTSMCを過度に優遇することが長期的に日本の半導体産業にとって良いことかどうかは疑問におっしゃっています。

私は、中国や台湾を当時の通産省(現経済産業省)で担当課長として担当していたので、中国の人も台湾の人も大好きで、一部の保守系の人みたいに、一方的に敵視する気はないし、日中協力は日本経済にとってもメリットの方がはるかに大きいのですが、やはり、それなりに気をつけながら付き合わないといけないのは当然です。

台湾について言うと、もちろん台湾は親日的だと言うのも事実なんですが、台湾の人も大陸(中国本土)に将来吸収されたりすると怖いから、保険をかけているわけです。

そう言う風な面も良くわかった上で付き合っていかないと困ったこともあります。実際、ウクライナの問題があるから台湾の人が反中国に燃えているのかと言うと、直近の地方選挙で、野党の方が勝ってしまった。

色々と理由はあるのだけれども、やっぱりウクライナみたいにアメリカにけしかけられて、戦争を同じ民族(同士)でやらされては堪らないと言う警戒心も出てきている。

そう単純なことではなく、色々と見なければならないと言うことです。保守派の中国毛嫌い、台湾への無邪気すぎる態度も、左派の自虐史観や台湾いじめも国益とは遙か遠くにあると思います。