美味ランチ@「セナ」。
アストランスの工事中、パスカル・バルボが厨房にいたので去年の春に食べにきた。
パスカルがいなくなった後、12月から「セナ」のシェフになったのは、中村秀樹さん。佐藤伸一シェフの「パッサージュ53」のセカンドをしていて、伸シェフがいなくなった後は、「ラ・ターブル・デュ53」のシェフを務めていたそう。パサージュの厨房で挨拶だけしたことあったみたい。
楽しみだな~。と、ワクワクしていたとこにやってきたアミューズ3品。ベトラーヴのタルト齧った瞬間に、夢中になってたおしゃべりやめて、思わず残りのタルトを見つめる。なにこれ、ものっすごくガストロノミー的においしい!レモングラスにさして炭火焼きしたツブ貝、牡蠣のジュレ寄せと、おしゃべり一時停止して、100%の集中力で向き合う。
”すっごくおいしいよね、すごいねシェフ” 会食者と見つめ合い、ため息つく。
周りだけサッと炙って香りを立たせたブリ&シャキシャキみずみずしいラディッシュに柑橘香らせた前菜も、芳醇な帆立貝のムースリーヌをファルシした舌ビラメに酸を効かせたソースと黒トリュフをあしらったザ・クラシックなイメージの中にもシャープなキレがあるおいしさも、とっても素敵。ヒラメのソースに、伸シェフを感じるなぁ。
デセールは、洋梨のヴァニラポシェ・ポムロ・ジャスミンクリーム。シェフパティシエ探しているそう。
秀樹シェフ、日本では「ロオジエ」などでクラシックをやっていたのだけれど、渡仏して伸シェフの料理食べて感動し、その場で修業させてください!とお願いしたそう。その昔、伸シェフも確か、パスカルの料理食べて感動して働かせてください!ってお願いしてたっけ。
味見させてもらった、牛頬のソースもすごく上手だし、牛の付け合わせのキノコと燻製ベーコンのスープは、口に入れた瞬間、サヴォワ地方の森に瞬間移動したかと思った。このスープも絶品!これ、毎週食べたい。
夜に出しているという、ブレス肥育鶏の塩パン釜焼きの写真、見せてくれる。うっひゃ、おいしそ~。今度は、絶対に夜に来よう。
オーナーの一人は元デュカスグループ、一緒にご飯食べた子も元デュカスグループ。昔懐かしい時代のデュカスグループの共通の知人たちの話題とおいしい話題を楽しみながら、とってもおいしい料理と過ごす、幸せな午後。
「セナ」、こんな素晴らしい料理人と縁が繋がってラッキーね。
編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々4」2023年2月6日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々4」をご覧ください。