日本で収監中の米兵の解放に動くバイデン: 黙り込む日本のメデイア

共同通信の英語版の記事によると米国のバイデン政権は日本で収監中のリッジ・アルコニス受刑者の米国への移送実現に意欲を示していることが分かりました。

共同は日本語版ではバイデン氏が政権主導でこの問題に取り組んでいることには何故か触れていません。

Oleksii Liskonih/iStock

アルコニス受刑者は居眠り運転が原因で公務外の事故により日本人3名を死傷させたことで、禁固3年の刑に服しています。しかし、米国内ではアルコニス氏が受けた取り調べ、判決の正当性、日本の司法制度、日米地位協定の不備などといったあらゆる部分に矛先が向いており、アルコニス氏の移送を願う声が強まっています。

アルコニス氏の移送を求める運動を主導している同氏の配偶者であるブリトニー・アルコニス氏はバイデン氏から夫の解放を果たすために尽力すると直々に伝えられています。

「私たちはあきらめていない」バイデン氏、リッジ・アルコニス氏の妻に「米国は彼の帰還のために動いている」と確約

ブリトニー氏はハリス副大統領や、サリバン安全保障補佐官などといったバイデン政権の主要メンバーとの面会も果たしています。

日米の摩擦になりかねないアルコニス問題をいかにバイデン政権が深刻に捉えているかを物語ります。

収監中のアルコニス氏の帰還を待つ同氏の娘たちを励ますハリス副大統領

先日、バイデン氏が出席した労働組合のイベントで組合会長がアルコニス氏の移送に取り組むバイデン政権を評価しました。

これまでアルコニス問題への言及は共和党関係者に多く見られていましたが、労働組合は民主党の岩盤支持層です。このことはアルコニス問題が日本で想像する以上に広がりを見せていることを示します。

一方、我が国のメディアは日米関係が危機に陥いる可能性がある問題を積極的に取り上げません。毎日新聞はなぜか英語版でこの問題を取り上げましたが、日本語版では触れていません。

日米地位協定が複雑で、物議を醸す取り決めであることが日本メデイアがアルコニス問題を取り上げることを躊躇している背景として考えられます。

今、米国では日米地位協定が米国人に対して不平等であるという不正確な情報が流布してます。日本のメデイアはそれらの認識を正すために、積極的にアルコニス問題について報道をし、議論を促す責務があるのではないでしょうか?