コロナ禍で運動不足やコミュニケーション不足が問題視されるようになってきました。長いマスク生活やオンラインでの会議で、意思の疎通が難しいと感じたこともあるのではないでしょうか?
筆者は、運動したいけど時間がない、運動が嫌い、継続できない社会人のために、簡単にできる”体づくり”を提案しています。運動は無理なく、楽しむことが一番大切です。今回は体の不調改善と同時に、コミュニケーション力もアップする運動法を紹介します。
体の不調改善とコミュニケーション力をアップできる「うなずきトレーニング」
その運動とは「うなずきトレーニング」です。頭を上下に動かす動作が、頭痛や肩こり、眼精疲労の軽減になります。
首から肩にかけては、たくさんの筋肉と神経が複雑に絡み合っています。
・パソコンや携帯電話による、目の使いすぎ
・同じ姿勢での長時間の作業
・姿勢不良
・ストレス など
そのままにしておくと、血行不良を引き起こし多くの体調不調がおこります。
そこで「うなずきトレーニング」が有効です。動作はとても簡単ですが、意識して行うことで運動効果が高まります。
「うなずきトレーニング」運動方法
首を前後に倒し、首と肩の周りをほぐします。後ろに倒す際は無理をせずにゆっくりとおこなうこと。激しくしすぎたり、無理をすると神経を痛めることがあります。
まずは息を吐きながら前に10秒、後ろに10秒ほどを数回繰り返してみてください。目や頭がスッキリとするのを実感してください。
慣れてきたら、頭の後ろで手を組んで前に倒してみましょう。さらに首の後ろがストレッチされます。
次は肩の上に手をクロスさせてのせます。そのまま上を向くようにして、後ろに倒してみましょう。二重あごの改善にもなります。
相手がいる場で行う方法
「うなずきトレーニング」を一人で行う場合、単純に筋トレ・ストレッチの効果が得られますが、相手がいる場合には本来のうなずきの役割が発揮されます。
まず、踊りと一緒で、相手と息を合わせておこなうことが重要です。他人と上手に「うなずき」が出来ると、リズムが生まれます。リズムは運動神経にも直結します。
早口な人には早いテンポで、ゆっくりと話をする人にはゆっくりと「うなずき」ます。これにより相手の方に心地良い気分が生まれます。
慣れてくると、自分の気分もよくなってきます。オンラインの時は、顔の表情などが分かりづらいので大きな動きにすると良いでしょう。
山形大学・北海道大学の研究で「うなずくだけで、相手は何もしない場合より2~3割増の好印象をもってくれる」という結果が発表されました。
また、うなずきの動作が「見た目の好ましさ」と「性格の好ましさ」のどちらの印象に影響するか調べたところ、頭を何も動かさない場合に比べ「見た目の好ましさ」が6%の増加だったのに対し、「性格の好ましさ」は19%も増えました。
つまり、うなずくことで相手に「きっとこの人は性格がいいのだろう」という気持ちを起こさせ、それが「好ましい」「近づきやすい」といった印象をもたらすという結果です。是非、笑顔で取り入れてみてください。
「うなずき」だけで頭痛・肩こり・眼精疲労の解消、さらにコミュニケーション能力がアップするのでチャレンジしてみてください。
「うなずき」は思考と感情をつなげるトレーニング
傾聴するときには、わかってあげたい、受け止めてあげたいなどの気持ちは大切なことです。しかし、気持ちは行動に表れて初めて相手に伝わります。
心の中で相手の気持ちを想っているだけでは自己満足です。表面的なスキルだけでは信頼関係は築けません。
想いと行動は一体となって初めてコミュニケーションが取れるので、頭だけの傾聴、心だけの傾聴にならないようにしましょう。
「うなずき」は思考と感情をつなげるトレーニングでもあります。体で何かを表現することは素晴らしい運動です。プラス笑顔があると最高です。
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長岡 智津子 スポーツインストラクター Feel株式会社 代表取締役社長
日本体育大学を卒業後、国立競技場トレーニングルーム勤務。30年以上健康に携わる指導(健康増進体操・ソシアルダンス・ポールウォーキングなど)を1週間に150人以上指導。楽しく・美しく体を動かすことをモットーに性別・年齢を問わず、多くのメニューで心身の健康増進と生きがいづくりのプログラムを提供。非日常的な体験企画も提案し笑顔溢れる人生の道先案内人。 https://www.feel-nagaoka.com
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編集部より:この記事は「シェアーズカフェ・オンライン」2023年3月15日のエントリーより転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はシェアーズカフェ・オンラインをご覧ください。