胸が熱くなったサムライジャパン:医学界にも大谷翔平が必要だ

今日のWBCの準決勝はしびれたし、最後は胸が熱くなった。9回裏の先頭打者の大谷選手の2塁への激走後の周りを鼓舞する姿、そして、3三振とどん底に見えた村上選手のサヨナラ打には感動した。サムライジャパンがサヨナラジャパンになるところで、メキシコを振り切った。

試合の行われたローンデポ・パーク Wikipediaより

私の世代はサッカーではなく、やはり、野球だ。大阪に住んでいたが、背番号3番のユニホームをつけて野球少年をしていた。最後までハラハラドキドキしていたので、喜びは大きかったし、村上選手が3度の三振後に暗い顔をしてベンチに引き上げる姿を見ていたので、最後の打席に入っていった時には、孫を心配する祖父のような気持ちで不安がよぎった。サヨナラの長打を打ったときには言葉が出なかった。野球はドラマだ!

昨日、愛知県がんセンターで講演をした時、「日本の医学界にも大谷翔平が必要だ」を檄を飛ばしてきた。医療分野には革命が起こっているが、革命には指導者が必要だ。指導者のいない日本は医学の世界に起こっている革命から取り残されつつある。

私のようなAIの知識のない人間が、聞きかじりで今後の医療革命を語っているようではダメなのだ。医学も数学も工学も、そしてAIやIT技術を専門家と議論できる3刀流、4刀流が可能な「大谷翔平」が必要なのだ。

かつて、ユタ大学に留学していた時に知り合った、フランシス・コリンズ、エリック・ランダ―、バート・ボーゲルシュタインは、まだ、教授になっていなかった。エリック・ランダ―などゲノム研究者としては駆け出しの序2段レベルだった。

しかし、多くの才能を持っていた彼らは10年後には米国を代表する研究者となり、世界をリードしてきた。彼らは専門分野だけでなく、幅広い知識を持っていた。専門バカの研究者が国を論じてはいけないし、利益誘導型のリーダーも国を危うくする。この国では専門バカの利益誘導型リーダーがはびこってきた。そのために、救いようのない閉塞感に覆いつくされているのだ。

これを打ち破るには革命が必要だし、革命を誘導する指導者が必要だ。この革命を民主党政権に夢見ていた日本国民は見事なばかりに裏切られた。

革命を起こすような指導者が与党の中から生まれてくるのか、野党から生まれてくるのか、期待度は低いが、それしか日本を救えない。


編集部より:この記事は、医学者、中村祐輔氏のブログ「中村祐輔のこれでいいのか日本の医療」2023年3月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は、こちらをご覧ください。