悪口は言われた者が勝ち、言った者が負け

黒坂岳央です。

生きていく上で避けられないのが「悪口」である。職場やネットなどで言う者、言われる者を目の当たりにする光景は日常的に繰り広げられる。自分は「こういう行動はメリットが無いので改善をしよう」といった啓蒙はすることはあるものの、特定の誰かの悪口は言わないように気をつけている。「悪口とは言われている者が勝ちであり、言う者は負け」だと論理的に答えを導くことができるからだ。

別にどこの誰が誰かの悪口を言おうと好きにすればいい。生き方は自由だ。だが、それは最終的に自分を呪う言葉となって返ってくる。損しかない。だから止めておいた方がいいだろう。

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悪口は本質的に「下から上へ」出す行為

小学生など子供時代の悪口は別にして、大人の世界での悪口の多くは「下から上へ出す行為」というケースが多い。実際に悪口を言われる確率は社会的に成功しているとされたり、立場が強い者ほど高くなる。

おそらく、世界で一番悪口を言われる回数が多いのは、世界で最も権力を持つアメリカ大統領だったりアメリカ政府だろう。また、我が国においても政治家はしばしば悪口の的になるが、最も言われる回数が多くなるのは内閣総理大臣ではないだろうか。

より規模を小さくしてもこの本質は変わらない。職場においては社長は陰口を一番叩かれる事が多いだろう。名前が売れている芸能人や影響力のあるインフルエンサーも状況は同じである。

なぜか?悪口は目立つ者、立場が強かったり強権を持つ者がしばしば標的になるからだ。逆を言えば目立つことがなく、立場が弱ければわざわざその相手に悪口をいう人もいないということである。

悪口をいえば全部自分に返ってくる

心理学、心療内科の専門家によると「悪口は依存症」の一種だという。シンプルにいえば「悪口は気持ちいいのでやめられない」のだ。しかし、気持ちいいからと感情に委ねて悪口を言うことは自分の首を締めることになる。

1つ目は周囲の信用を失うということだ。上述した通り、基本的に社会的、立場的に上へ行くほど悪口は言うより言われる側になる。立場が上の人が特定の誰かの悪口をいえばたちまちメディアの大スキャンダルになってしまうので、そうした人達は基本的に相手から言われっぱなしだ。日常的に誰かの悪口を言い合うことで信用を勝ち取れると思っている人達は想像ができないかもしれないが、悪口を言うという行為を嫌ったり信用できないと感じる感覚の持ち主はかなり多い。しかも実力や権力がある人ほどその傾向がある。信用を失いたくなければ、気軽に悪口を言わないことである。

2つ目は自分の言葉に自縄自縛になるということだ。たとえば「YouTuberなんて本当にバカげてるし終わってる」と普段から周囲に吹聴していたとする。その後、実はYouTubeは自分のビジネスに活用できそうなポテンシャルを秘めていると分かった場合でも、自分が過去に発した言葉に縛られてもはや挑戦できなくなる。

もしも朝令暮改の発想で取り組めば「あの人、言ってることと行動が矛盾してるよね」と今度は自分が陰口を言われる潜在的な恐怖があるのだ。とりわけ自分が脅威に感じていたり、本当はうらやましいと思っている悪口ほど何度も繰り返しいうものだ。潜在的に刷り込まれた「○○なんて最悪」という悪口は、未来の自分の行動の可能性を狭めて、動きを鈍重にする。

3つ目は何一つ進歩がないということだ。積極的に他人の悪口に励む人ほど、自分の人生を放り出し一生懸命他人の人生にケチを付けることに時間を使っている。なぜなら自分を高め、改善を必死にする人は、特定のだれかを捕まえて悪口をいうことなど時間がもったいなくてとてもできないからだ。

自分自身、悪口には一切付き合わないし、悪口が始まったらすぐにその場を離れる。生産性がない悪口に使う時間がもったいないからだ。悪口に使う時間があれば、ためになる記事や本を読んだり、記事や動画の制作など創作に時間を使った方がいい。悪口中毒になっている人達は何の生産性も進歩もない悪口を言い合い、人生の貴重な時間を一生懸命他人の行った過去に使ってしまう。だが、他人も過去も変えられない本質があるため、そこに執着する間は進歩はないのだ。

悪口で盛り上がるのは義務教育過程くらいで卒業した方がいい。社会に出て悪口ばかり言っている人からはまともな人ほど離れていき、近づいてくるのは同じく悪口でしか盛り上がれない烏合の衆である。論理的にメリットがないことは今すぐやめ、自分の人生を高めること、自分自身のために時間を使う方を勧めたい。

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。