隠岐(おき)と壱岐(いき)の違いをほとんどの日本人は知らない

伊丹空港経由で隠岐に来ました。島後(どうご)にある隠岐ジオパーク空港からタクシーで港に向かい、西郷港からチャーターした船で別の島に行きます。海土町(あまちょう)のある中ノ島の菱浦港まで、約1時間の辺船旅です。

隠岐 Tsuyoshi_Kaneko/iStock

この船が強風による波の影響もあってか、かなり揺れて「カリブの海賊状態」になり大変でした。

港に到着すると、そこから歩いて数分のところにEntoという初日の宿泊施設がありました。海に面したスタイリッシュなお部屋です(写真)。

自然が目の前に見られるとてもぜいたくな空間ですが、ここまでくると観光客はかなり少なくなります。

隠岐は、今でこそ不便な場所の代表のようですが、かつては後鳥羽上皇や後醍醐天皇がご配流された場所でもあり、江戸時代には北前船で栄えた交通の要所でもあったようです。葛飾北斎や安藤広重といった有名な浮世絵師もこの地を題材に作品を作っています。江戸時代の人気スポットだったのです。

近年はユネスコ世界ジオパークに指定され、世界的にもユニークな地形と自然を持った場所として注目されています。

私は、壱岐にも行ったことがありますが、おそらくほとんどの日本人は隠岐(おき)と壱岐(いき)の違いを知らず、どちらも行ったことがないと思います。実は、どちらも「古事記」の「国生み」で神の生んだ8つの島(淡路、四国、隠岐、九州、壱岐、対馬、佐渡、本州)になっている歴史のある場所なのです。

壱岐 linegold/iStock

東京からは、どちらもかなり時間のかかる場所ですが、到着するまでに時間がかかればかかるほど、やってくる人の数が減ります。

ここには海の幸や隠岐牛もあり、グルメも充実。自然を楽しみ、スローライフを過ごすには、最適の場所です。

インバウンド需要の回復で、京都のような日本の有名な観光地はどこも激混みになっています。そんな便利で、人気の観光地も良いですが、たまには少し離れた場所まで足を延ばし、空いている平日に出かける。そして何もしないで、ただのんびりと過ごすのは最高の贅沢だと感じます。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年4月13日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。