オマー・ディアブ(パリ1区)

2月、グルメ友が、「数週間前、すっごくおいしい新店に行ってきた!オマー・ディアブっていうんだ」と、興奮しながら話してくれた。「オマー?なんか知ってる、その名前。おぉ、ラベイユでクリストフ・モレのセカンドやってた料理人よね!」。

5年くらい前、厨房取材した時に一度会っただけだけど、その時の仕事ぶりの素晴らしさに、カメラマンさんも私も感動して、強く記憶に残ってた。”ラベイユ”がなくなった後、”ロワゾー・リヴ・ゴッシュ”のシェフになったの知ってたけど、行く機会ないままコヴィッド。昨年秋、自分自身の店を出してた。

というわけで、グルメ友たちと行くことに。エントランスを入ると、すぐオープンキッチン。おぉ、オマー!久しぶりに顔見られてうれし~、ミシュランおめでと~!

薔薇色のシャンパーニュで乾杯し、シンプルだけど素晴らしく完成度高い3種のアミューズに感激。これだけで、ガストロノミー料理を極めているのがよくわかる。くぅぅ、さすが、クリストフの弟子。

「絶対にスペシャリテを食べて!すっごくおいしいから」という友の言葉に、みんなは、前菜、スペシャリテ、主菜の3皿。ちょっと多いし、前菜のチョイスが牡蠣かフォアグラ(マッシュルームと合わせてラベイユと同じ表現)で、両方ともちょっと苦手食材なので、スペシャリテを前菜にいただこう。

リドヴォーを新感覚クロックムッシュ的に表現した、クロックリドヴォー。これが、素晴らしく独創的かつおいししくて、感激。一口一口、愛しみながらいただく。

続いて、仔羊。「どこの部位?」と聞くと、「全てです」とスタッフ。このご時世、背肉や鞍下肉だけを使うなんて、非エコロジー。頭、舌、胸腺、胸、鞍下、そして腿や肩はメルゲーズ、骨や屑肉はソースに仕立てて、仔羊七変化。これがまた、どの部位も素敵においしく、ソースも見事。ソースの最後の一滴まで、パンで拭って満喫する。

仔羊に選んだサン=テミリオンが(名前忘れた)状態よく、心地よく料理に寄り添ってくれて一同テンション上がる。

デセールは、柑橘色々。グルメ仲間はもちろん、デザート酒を所望。私は、ソムリエの助言に従い、レモンタイムの蒸留酒。

ご機嫌においしいオマーの料理を楽しみながら、超グルメ仲間と、飽きもせずひたすらに美食の話題で大盛り上がり。仲間の二人は若い頃、アラン・シャペルやジャック・ピック、ジャン・トロワグロの料理を食べている。ひゃ~。すごかったらしい。

楽しい時間はあっという間。最後のテーブルになりそうなので、そろそろ失礼ましょう。

ごちそうさまでした、オマー。ほんっとおいしかった♪


編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々5」2023年3月19日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々5」をご覧ください。