食後2分間歩く「地中海ダイエット」がすごすぎた

黒坂岳央です。

いつの時代でも健康情報は色々と出てくるものだが、先日アメリカのニュースメディアCNNとNew York Timesで「食後2分間のウォーキングがダイエット、健康に良い」ということで取り上げられている。

食後にゆったりとウォーキングをするスタイルは「Mediterranean diet(地中海ダイエット)」と呼ばれており、器具が不要で短時間で効果があるのは誰にでもでき、画期的だと注目を集めている。自分自身も最近、意識的に取り組むようにしている。

Ljupco/iStock

地中海ダイエットはどんな効果があるのか?

誰もが気になるであろうポイントは2つ。すなわち「どんな効果がある?」「本当に効果がある?」という点だろう。

CNNで紹介されている記事によると、地中海式ダイエットは、糖尿病、高コレステロール、心臓病、脳卒中、一部の癌のリスクを低減し、同時に骨を強化し、脳の健康を改善し、認知症や うつ病を予防し、健康的な体重減少に役立つことが研究で明らかになったという。医師の健康系YouTube動画でこのことを検証した人もおり、血糖値を測って食後にウォーキング、歩いた場合はそうでない場合に比べて血糖値が12%程度抑えられたことが紹介されている。

これまでいろんなダイエットや健康情報が様々なメディアによって取り上げられてきたが、昨今注目を集めているのが「血糖値を高めない重要性」である。血糖値を急上昇させるデメリットはかなりのものだ。短時間に生成された砂糖を大量に摂取すると、血糖値スパイクと呼ばれる状態になり血管を痛めつけ、インスリンの大量消費から低血糖症や、強烈な眠気、加えてブドウ糖が脂肪に変わりやすく太りやすい体質になってしまう。

健康と体型を守るためには、血糖値の急上昇を避けることが肝要であり、これまでは「甘いものを短時間に大量に取らない」という防戦一方だった戦いが、「食後ウォーキングする」という新たなる攻撃手段を得たことになる。

食後ウォーキングのコツ

本記事に触発され、様々な海外の文献や動画を見て回ったが、そこで得られた信頼性のおける知見をシェアしたい。

まず、食後ウォーキングは短時間でも効果があるということである。CNNやNew York Timesでは2分間とされており、必死に30分や1時間かけて歩く必要はないということである。これなら運動不足気味のリモートワーカーにもやりやすい。

さらにウォーキングはたとえば1時間連続で歩いた場合と、15分ずつ4回に分けた場合とで効果に大きな差はないとされる。短時間で回数でトータル歩数を稼げば良いとなれば、ウォーキングの心理的ハードルもずいぶん下がるはずだ。

そしてウォーキングはジョギングではいけない。食後、あまりに激しい運動をすると本来は消化のために胃に集まる血液が筋肉に集中するため、消化不良で胃を痛める。だが軽いウォーキングなら血液の循環も阻害しない。「健康のために!」と張り切りすぎるとかえって不健康になるので、食後の気持ちいい散歩に出かける感覚で良い。

あれこれ食後2分間ウォーキングの魅力を取り上げたが注意点もある。それはあまりにも効果を過信しすぎてはいけないということだ。もちろん、効果はしっかりあるものの「ウォーキングすれば食べ過ぎも許される」とばかりに短時間で糖質過多になれば、ウォーキングの健康効果など追いつかないダメージを受ける。あくまで血糖値スパイクを起こさない健康的な食事をする上で、さらにウォーキングで健康効果を追加するイメージを持つとよいだろう。

筆者は以前まで8000歩「連続」で歩いていたが、最近は食後に10分程度歩く「分散ウォーキング」に切り替えた。この運用変更により、健康の体感効果を楽しみにしているところである。

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ビジネスジャーナリスト
シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、ブルームバーグLP、セブン&アイ、コカ・コーラボトラーズジャパン勤務を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「高級フルーツギフト水菓子 肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。本業の傍ら、ビジネスジャーナリストとしても情報発信中。