本日の日本経済新聞一面トップは日本郵政社長のインタビュー記事でした(図表を元記事で見る)。
その中で、現在約24,000カ所ある郵便局を2040年ごろをめどに統廃合を進めるとの見解を示しています。
記事によれば、図表のように郵便物の取り扱いはピーク時の2001年から約3割減少しているそうです。にもかかわらず、郵便局の数は民営化された2007年から250ほどしか減っておらず、ほぼ横ばい。今後、人口減少やさらなる郵便利用の減少によって、何もしなければ収益が悪化していく事は確実です。
しかし、郵便局の統廃合に関しては、それぞれの地域で政治的な圧力がかかりやすく、地方自治体の理解を得ることも簡単ではありません。増田氏が2040年という時期に敢えて言及したのも、抵抗勢力の反発を抑え、中長期的な方向性を示すための議論のきっかけにしたいという意図からだと想像します。
郵便局に限らず、日常生活に必要な社会インフラの維持には、一定の利用人口が必要です。人口減少によってサービスを利用する人の数が減れば、事業として成り立たなくなります。
ショッピングモールやコンビニのような商店、鉄道やバスのような公共交通、郵便や宅配便のような公共サービスは、人口減少とともに、サービスレベルの維持が難しくなり質を低下させざるを得ません。
商店は閉店して数が減り、公共交通は運行頻度が下がり、公共サービスも配送頻度が減って利便性が低下します。
そして、サービス低下がさらに人口減少に拍車をかけていく。このような「ネガティブスパイラル」が、人口減少している全国各地で始まることになるでしょう。これは、東京であってもエリアによっては例外ではありません。
今回の郵便局のあり方に関する議論は、これからの日本がどのような形に変わっていくかに関して重要なことを示唆しています。
特に国内不動産投資を実践する個人投資家にとっては、これからどうするべきかについての見逃してはいけないシグナルです。
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編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年5月12日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。