反ワクはワクチンを打たない人のことではない
まず私の立場を申し上げますと、コロナ脳も反ワクもデマを撒いて不安に陥れるのは敵ということになります。ある程度の高齢者の死亡は仕方ないと社会が受けいれて前に進まななければいけないときに、いまだに感染対策最優先では永遠にマインドが低いままですし、ワクチンの不安を煽り立てて感染拡大する、どんどん人が死ぬ、でも同じ事です。この両者は100か0しかなく、両方とも表裏となっています。
前者の批判は次のエントリーにして・・・・
なぜか最近になって勢いづいている反ワクチンの皆さん。いまや打ってるのはほぼ高齢者だけなんだからほっとけと思うわけですが、私は基本的に打ちたい人は打てばいいし、嫌なら別にそれでいいと思う立場です。
別にワクチンは自分で回避するのはいいのですが、デマや間違った仮説を信じ切って暴力的に絡んでくる。ワクチン打ったら死ぬとか信じて打った人を馬鹿にするとか、マジでウザい。そこで本日は彼らが信じている経典をことごとく粉砕してみようと思います。
治験が終わってないワクチン?
いまだにこう思ってる人がたくさんいますが日本で言う最終治験は海外では治験とは言いません。認可されてからも安全のために長期に渡っての追跡調査なわけでどんな薬でもやっています。もしこれが終わらないと承認してはいけないのであれば、どんな薬も永遠に承認されませんよね。笑っちゃいます。
で、この長期追跡調査もモデルナが昨年、ファイザーも今年の5/2に終わりました。いまのコロナワクチンは治験済みです。「治験終わってないワクチンガー」の人たちは単に無知なだけです。
国はワクチン被害者を隠蔽している w
死者を1人も認めてないと言ってるみなさんは字が読めないんですか?
厚生労働省が「ワクチン接種と死亡との因果関係は否定できない」としているのは、去年11月に死亡が確認された1例のみで、今回の事例が認定されれば全国で2例目となる可能性があります。
認定するにはかなりの時間と手間がかかるので先んじて補償はしています。
新型コロナワクチン 接種後死亡12人に一時金など支給へ 厚労省
新型コロナウイルスのワクチン接種をめぐっては、接種した後に死亡した人について因果関係が否定できないと国が認定した場合には予防接種法に基づいて死亡一時金などが支給され、これまでに20代から90代までの男女41人が認められています。
因果関係が否定できないとさせる人にはすでにこれで50人以上にとりあえず一時金が支払われています。追って認定されていくはずです。別に全く隠蔽してないでしょ。
健康な30代の人がワクチン接種後に急死した。ワクチンに違いない!! という気持ちはわかりますが、30代の死亡率(人口1000人あたりで年間に死ぬ人の数)ってどれくらいか知ってますか?
年間死亡率は35歳1000人につき男性が0.88人くらいですから、30代が1万人いれば年間に10人近く死にます。自殺や事故が多いのですが、もちろん突然死だって結構います。くも膜下出血や心臓死もかなりの数です。ワクチンを2000万人の30代に打てば、16000人はワクチンに関係なく1年以内に亡くなります。ワクチン接種後に亡くなったって、それがワクチンのせいなのかたまたまでそうではないのか、精査しないと分からないわけですよ。
超過死亡はワクチンのセイダー?
2022年の超過死亡は4万7000人〜約11万3000人。ワクチンを打って増えたのだと他の要素を一切排除して叫ぶ人が多すぎます。
まず日本の死者数の推計ですが、
このようにどんどん増えています。高齢化しているからです。2020年の死者数は137万2648人ですが、2022年は143万9809人、2022年は158万2033人と増加していますが、そもそもこのグラフのように年間4万人くらいずつ死者が増えるの折り込み済みです。それを引くと5〜10万人くらい2022年は死者が多かった。
反ワクの人は、ワクチンのセイダーと他の要素を一切排除していうわけですが、ワクチンと死亡の波は一致していません。こんなことでいいなら「子どもの数が減ると超過死亡が増えるから少子化が超過死亡の原因だ」とか「円安が超過死亡の原因だ」とかなんでも言えてしまいます。
1. ワクチン疑いの死者は最初が多くてあとは激減している
仮に超過死亡がワクチンが原因なら、ワクチン死亡疑いも増加していないといけない。結果はどうか。
まずは2021年。
最初だけどっと出たワクチン疑いの死者は3回目接種のあとは激減・・・・・
最近のは厚労省のサイトで公開されています。今年の4/28に新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の数。(コミナティ筋注、ファイザー株式会社)
これはワクチン疑いではなくてワクチンを打ったあとしばらくして亡くなった人の数ですが、3回目以降には激減しています。「医師が面倒になって報告しなくなったからだ」という反ワク医師にTwitterで絡まれましたが、それピークアウトした理由が「マスクをピチっとしたから」といって笑われた二木先生と同じく個人の感想でしょ。ww だいたい家族がワクチン打った直後に死んだら私だって報告上げてくれって言うわ。明らかに回数を追うごとにワクチン打って直後に亡くなる人は減っているのです。
理由として考えられるのは、
- 亡くなる人は最初に亡くなった
- ワクチンにだんだん慣れた
- ワクチンがこっそり改良されていた
くらいですが、そのどれだとしても超過死亡が2022年に増加したのはワクチンではない事になります。
2. 日本の人口あたり超過死亡は世界ではめちゃくちゃ少ない → オミクロンで真ん中くらいになった
ワクチンが超過死亡の原因なら、世界一ワクチンを打ってる日本は世界一超過死亡(率)が高い国でないといけませんよね。世界を見てみましょう。慈恵医大の論文です。右下の超過死亡率が一番低いところに日本がいます。
このグラフは「2021年末までの累積ワクチン2回接種率」で、これも‐0.82と非常に高い相関係数を示しました。ワクチン接種率が高い国ほど超過死亡率が低いという予測可能な結果ながら、ワクチン接種により大勢の命が救われたことが示されていると考えられます。
日本の超過死亡率は世界でもニュージーランド、オーストラリアと並んで最低ラインです。そして超過死亡率が恐ろしく高いのはワクチン接種率の低い国
超過死亡率の判明している160か国のうち、60歳以上の高齢者率が高い上位40か国についてコロナ禍前の各国公表データとの関係を調査したところ、上位から「各国 60 歳平均余命」、「ワクチン接種率」、「国民 人当たりの GDP」の順に強い相関を示していることが判明しました。
相関の強かった上位 3 項目
(1).各国 60 歳平均余命(2016年) (相関係数=‐0.91)
(2).ワクチン接種率 (相関係数=‐0.82)
(3).国民1人当たりの GDP(2016 年) (相関係数=‐0.78)
0.0~0.2 ほとんど相関関係がない
0.2~0.4 やや相関関係がある
0.4~0.7 かなり相関関係がある
0.7~1.0 強い相関関係がある
ということで、ワクチンは超過死亡を減らすことに高い相関関係があり、「ワクチンのせいで超過死亡が増えたはあり得ない」と分かります。
2022はどうなった?
これは2021じゃないガーという反ワクさん。反ワクにも2種類あって「恣意的に海外の情報を歪めて伝えるタイプ」と、「単に信じる馬鹿」です。この前者はとにかく海外データが好き。そして最大特徴は
都合のいい国だけを持ってくる
ということです。たとえばこちら。
ワクチン接種回数が多く超過死亡が増えた国だけ集めてグラフにしてそれらしく見せる。しかも日本が入ってない。この制作者はロシアのウクライナ侵攻から突然のようにロシア礼賛のアカウントになりました。w
で、↓多くの国をいれるとこうなる。2022ですのでオミクロンです。日本は第4波のアルファまでは固有の免疫【HLA24】がありこれがおそらくファクターXでした。効果が切れたデルタでは高齢者にワクチンが間に合った。だから超過死亡が少なかったがオミクロンでは他国と変わらなくなったわけですね。
接種率は右軸、超過死亡は左軸。コレ見るとはっきりいって「超過死亡はワクチンと関係なさげ」に見えます。日本はワクチンは多いが超過死亡は真ん中くらい。コレだけ見ると世界的にはワクチン打とうが打つまいが、オミクロンでは大差なかったように見えますね。ただ、突出して超過死亡が多い国はやはりワクチン回避国です。
遡ってひとつ上の「ワクチンが超過死亡の原因ガー」グラフでは、超過死亡が多いロシアが省かれていて、ブルガリアの超過死亡は数値を低く改竄。他の超過死亡が多く接種率が低いボスニアヘルチェゴビナ、ジョージア、ラトビア、などが意図的には省かれているのが分かります。
2022の超過死亡が増えた最大要因は老衰
ワクチンで死んだなら心筋梗塞などが多くないといけないのですが、なんと一番増えたのは老衰・・・・・・。ワクチン打って老衰で亡くなった人がいないとはいいませんが、それってもう寿命だったのでは?
わたしの父はデルタの前の第4波のときに93歳で自宅で老衰で亡くなりましたが、訪問医は「あと数週間の命の人にワクチン不要です」ということで打ちませんでした。しかし家庭によっては絶対打ってくれというところもけっこうあるということでした。
こういう人たちがワクチン打って高熱で亡くなったとしても超過死亡には算入されませんよね。もともと余命わずかなわけでワクチンなくてもその年に亡くなっていたはずだから。
終末されているお医者さんからは「コロナ(オミクロン)にかかって治癒したものの、体力が無くなって老衰や基礎疾患が悪化して亡くなる人が多い」とは聞きました。亡くなった時にコロナに罹患していなければコロナ死にはカウントされません。遠い知人で2人、こういう人がいるので説得力があるとわたしは思います。
ついでに言うと、日本でも超過死亡の多い県はワクチン接種率の低い県です。65歳以上ワクチン4回目接種率が最低の沖縄と4位の大阪がリードしています。
ざっくり計算しますと
ワクチン接種率と超過死亡の関係を計算しました。65歳以上5回目ワクチン接種率の高い県ベストスリーの2022超過死亡(1000人あたり)
接種率の高い県 超過死亡率 高齢化率
1 岩手 76.55% 1.27 38.1%
2 新潟 75.96% 0.648 33.2%
3 山形 73.47% 0.933 34.3%
低い県ベストスリー
1 沖縄 47.44% 1.3 23.1%
2 徳島 61.86% 0.867 41.5%
3 愛知 61.49% 0.794 33.1%
超過死亡が図抜けて多いのは大阪で2.96。ワクチン接種率62.48% ワースト4位
接種率が高いほうが多少は超過死亡が少ない程度でオミクロンでは超過死亡とワクチンはあまり関係が無いように見えます。ワクチン打ちまくったら超過死亡出まくりということは全くない。
日本については「ワクチン打ちまくると死人がたくさん出る」ということは全く無いと思います。高齢化率が低い沖縄はワクチン接種率が低くて超過死亡率も高い。岩手はおそらく高齢化。大阪もワクチン接種率が低くて鬼のように超過死亡が出ているがこれは特定地区の存在が大きいと思う。
ワクチンのせいで感染拡大した? → 真逆でした
すでにアメリカの大規模論文では日本の第7波〜8波の感染爆発はそれまでに自然感染が少なかったからとされています。どうして自然感染が少なかったか
・第4波までは日本人固有のHLA24が自然免疫となった → 東大と理科科学研究所の論文
※マスクや手洗いじゃナイと思います
・第5波のデルタは高齢者にワクチンが間に合った
デルタの感染拡大の前に高齢者にワクチンを2回打ち終わった。デルタまではワクチンは感染防止効果がきっちりとあった。デルタの時の感染者の年齢別分布を見たら分かります。デルタで死んだのは40〜50代のおじさんばかり。
見事なまでのデルタの時のグラフです。高齢者のワクチンは7月上旬までに9割弱が打ち終わり、同時に新規陽性者における高齢者の比率が急低下。陽性者の数が激増する施設のクラスターもほとんどでず。
・感染力が強くなったオミクロンではワクチンの感染防止効果がなくなり一気に感染爆発
同様にワクチンで鎖国していたニュージーランドと台湾も、オミクロンには感染防止効果がなく、自然感染もないので一気に感染爆発して人口あたりの死者は日本をぶち抜きました。
ここで出てくるのが「ワクチンが感染者数を増やしたのではないか」という説です。ワクチンが免疫を阻害したということですが、この説は調べてみたら瞬殺できました。
こちらは日本の5回目ワクチン接種率(全年齢)です。仮にワクチンのせいで第7波〜第8波で感染拡大したなら接種率の高い県はコロナの罹患率も高くないといけない。
接種率が高いのは秋田、岩手、山形の東北地方。低いのは例のごとく、沖縄、東京の若者が多い県、そして愛知、大阪と続きます。
罹患率は3月の調査で献血の血からN抗体が調べられています。N抗体は感染によってできる抗体です。
全人口5回目ワクチン接種率のワースト順位の県のコロナ罹患率を見てみる
◆接種率ワーストの県の感染率
1 沖縄 58%
2 東京 42.2%
3 愛知 51.8%
4 大阪 50.2%
5 神奈川 42.8%
※沖縄、東京、神奈川は若者比率が高いので接種率は低くなります。沖縄は高齢者も48.14%と極端に打ってないけどね・・・
続いてワクチン接種率が高い県ベストのコロナ感染率
◇接種率の高い県の感染率
1 秋田 37.8%
2 岩手 27.4%
3 山形 39.1%
4 新潟 33.5%
5 青森 36.5%
この数値から言えるのは少なくとも、
ワクチン接種率が高い県ほど感染率は低い
ということになる。もちろん、人口密度や閉じこもった生活習慣などはある可能性はあるが、少なくとも「ワクチンのせいで感染拡大したという気配は全くない」とは断言できます。
むしろオミクロンでのワクチンの感染防止効果はまったくないわけではなく、マスクの効果程度にはあったのかもしれない。ワクチン打ったから感染拡大したというのはあくまでワクチンを打つタイミングと感染拡大のタイミングがたまたま一部合致しただけの話だろうと思います。
そんなわけで力作を書き終わりましたが、数字が分からない方は全く読まないで(読んでも意味が変わらない)、製薬会社や政府から金もらってんのガーとか食いついてくる様子が目に浮かぶようです。だからみんな解説したくないんだよ。カルトに対抗するのは疲れるんですよ。
編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2023年5月25日の記事より転載させていただきました。