マントンまで遠出。もうここは、ほぼイタリア。耳に入ってくる言葉も、イタリア語が優勢。太陽もニースより強烈。
ボンジュー、ジャン・コクトー。まずは、市庁舎の結婚の間。くるたびに、マントンの人たちいいなぁ、って思う。
正面の絵だけでなく、向かって右側はとても人間くさい物語があり、向かって左側はオルフェとユリディス物語。天井、そして奥の壁もじっくり。誰もいない広間。一人ゆっくり、コクトーを堪能。
市庁舎のコクトーを独り占めで満喫した後は、ジャン・コクトー美術館へ。海辺の要塞美術館は、石造の小さな空間。細い窓越しに見る海が好き(アンティーブのピカソ美術館も同じ雰囲気)。
漁師と娘の連作が目玉なのだけれど、数年前から修復に出ていて飾っていないそう。残念。
すぐそばに、10年くらい前、セヴラン・ワンダーマンのコレクション寄贈をベースにした新しいコクトー美術館ができて、モダンで広い気持ちよい空間だったのだけれど、18年の大嵐の後、洪水の被害を受けそのまま閉館中。コレクション、被害受けたのかしら・・・。保険問題などで揉めているらしい。早くまたオープンしますように(ワンダーマンで、ん?と思った人は、時計業界人。昔、バーゼルで何回かインタヴューさせてもらった。目力、すごかった)。
青い海眺め、それよりもっと青い空眺め、市場へ。野生アスパラガスとバノン、ブケをゲット。
編集部より:この記事は加納雪乃さんのブログ「パリのおいしい日々5」2023年4月15日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は「パリのおいしい日々5」をご覧ください。