小川洋子「博士の愛した数式」

5月28日は僕の誕生日です。先日の5月26日(金)には研究室の博士課程の学生さんたちがサプライズで僕の誕生日をケーキで祝ってくれました。

ということで、本日の書評は僕の誕生日にも関係する、

小川洋子(著)「博士の愛した数式」

です。

なぜ僕の誕生日と小川洋子さんの「博士の愛した数式」が関係あるのかということを解説(?)していきます。

本書は

80分しか記憶が続かない数学者と、家政婦とその息子はしだいに心を通わせ――第1回本屋大賞に輝いた、あまりに切なく暖かい奇跡の物語。

ということで、数学者と家政婦とその息子を巡る心温まる小説で、もう読まれた方は多いと思いますが、僕の超おすすめ小説なのです。

物語の中で28という数字が、博士の大好きな阪神タイガースの江夏豊選手の背番号として登場します。そして「完全数」が物語の中心的な役割を果たしているのです。

完全数とは、Wikipediaによると、以下のように説明されています。

完全数とは、自分自身が自分自身を除く正の約数の和に等しくなる自然数のことである。完全数の最初の4個は 6、28、496、8128である。「完全数」は「万物は数なり」と考えたピタゴラスが名付けた数の一つであることに由来するが、彼がなぜ「完全」と考えたのかについては何も書き残されていないようである。

最小の完全数6に関しては、高校一年生の頃のこと。数学の先生が授業中、「6」と黒板に書いて、いったん沈黙し、「うーん美しい」「僕は6が好きなのです」「6は1と2と3でできていて、それらを足し合わせると6になる。2と3を掛け合わせても、1と6を掛け合わせても6になる」とつぶやかれたことを今での思い出します。先生は「完全数」という単語を呟いたかどうか僕の記憶にはありませんが、数学者の方々には「完全数」は特別な数字なのかもしれません。

ということで、二番目に小さい完全数の28の自分自身を除く正の約数は、1、2、4、7、14の5つの数字です。それら5つの数字を足し合わせると28(=1+2+4+7+14)になります。そうです、僕の誕生日は5月28日。5つの数字を足し合わせて28となる完全数の日なのです。だから、僕のラッキーナンバーは5と28なのです。

思えば今までずっと5と28という数字に拘ってきました。銭湯に行って下駄箱に靴をいれるときは、5番か28番を探している自分がいます。コインロッカーも、5か28の数字がついた場所を選んでいる・・・といった感じです。

僕が教えている凝固の授業の中で、二元系共晶合金の微細組織形成で、28%というのがラメラーかファイブラスかを決める重要な数値となっています。なぜそうなるのかの詳しい説明はここではしませんが、とにかく28というのは不思議な数値だと思います。

もしかしたら、鉄人28号も「完全数」と関係しているのかもしれません。

蛇足:昔bk1というオンライン書店がありました。現在ではhontoというサイトになっています。そのなかで、僕は「書評の鉄人28号」でした。いまでも僕の書評は残っているようです。

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動画のノギタ教授は、豪州クイーンズランド大学・機械鉱山工学部内の日本スペリア電子材料製造研究センター(NS CMEM)で教授・センター長を務めています。