「妬み」が多い人は危険? ネガティブを引き寄せると不幸になる!

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50カ国で翻訳され全世界で2000万部以上売り上げたベストセラー『ザ・シークレット』という書籍があります。日本では2007年に角川書店が発売しています。思考をポジティブに変えることで現実を変える方法は「引き寄せの法則」と呼ばれて一世を風靡しました。

「引き寄せの法則」とは一体どのようなものなのでしょうか。今回は、『新訳 お金と引き寄せの法則 豊かさ、健康と幸せを引き寄せる』(SBクリエイティブ)を紹介します。本書は、ベストセラー作家の本田健さんが翻訳をし「引き寄せの法則」の実態に迫っています。

「妬み」を排除すべき理由

「妬み」の感情というものがあります。自分にないものを他人が持っているとき、または取り残されてしまうときに人は「妬み」を感じることがあります。

わかりやすいケースに置き換えてみます。Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏、投資家のウォーレン・バフェット氏らは世界有数の大富豪ですが、彼らを妬む人は少ないと思います。自分からかけ離れた存在だと「妬み」の感情はわきません。

ところが、身近な存在に対してスイッチが入ります。例として社内人事などがあげられるでしょう。人事が発表されると文句を言う人がいるものです。特に昇進・昇格は「妬み」の対象になります。「無能なゴマすり野郎のくせに!」など、とどまることを知りません。

容姿や経歴も「妬み」の対象になります。一流大卒でイケメンの木村さんが入社してきました。女性社員は羨望のまなざしですが、男性社員は面白くありません。「あいつ、ちょっと調子にのってないか?」など、同調を求める人が増えてきます。ところが、同調する人も「妬む人」ですから、人間関係は悪化していきます。

「妬む感情」が増えると、人の不幸を強く願うようになっていきます。不幸が降りかかるように、失敗するように願うのです。しかし、「妬み」を抱いたところで状況が改善することはありません。嫉妬心を増長させることにメリットなどありません。

陰口大会していませんか?

「妬む感情」は、ネガティブに意識を向けていることに他なりません。これを続けるとどうなるのでしょうか。「妬み」で収まらないと次に「陰口」がはじまります。

仕事帰りの居酒屋は、上司や会社への「陰口大会」のオンパレードです。「陰口」は百害あって一利なしです。陰口とは、「悪い点」「欠点」「短所」「気に入らない箇所」などを必死になって探し出すことです。ネガティブ力を鍛えてもまったく意味がありません。

そして、ネガティブ力は自分に対しても無意識に向けられるようになります。自己肯定感を下げるからです。相手のネガティブな部分に注目するわけですから、自己肯定感が上がるはずがありません。結果的に自分を傷つけてしまうのです。

社内で嫌われる人には総じて同じような傾向があると思います。「分からなければいいだろう」「飲み会の席だったらいいだろう」と羽目を外してしまうのもよくありません。

「妬み」は最終的に快楽へとかわる

「妬む感情」が進行すると、次第に「快楽」へと変化し、「幸福感」を感じるようになります。美味しいものを食べると「満足感」を得るのと同じ仕組みです。ところが、より強い「満足感」を得るように、刺激の強いものを求めることから「量」が増えていきます。

「妬み」は、誰にでも起こりうる感情です。しかし、コントロールできないと、人間関係に悪影響を及ぼします。「妬み」によって、他人を攻撃したり、自分を傷つけたりしてしまうこともあるからです。この連鎖の仕組みを理解しない限り、行動を改めることはできません。

この機会に、「妬み」や「陰口」は好ましくないものだと理解しておきたいものです。本書には、今回紹介したような「不幸を引き寄せる思考」、「幸福を引き寄せる思考」など多くの思考術に関するエッセンスがわかりやすく解説されています。