自然年齢による「差別」が身に染みる50代後半

女性差別、性的少数者差別など、最近は差別に敏感な世の中になっています。しかし、自然年齢に対する差別は変わることがないようです。

Ljupco/iStock

特に50代後半になると、自然年齢による差別が身に染みてきます。

例えば銀行からの借り入れです。

50代半ばを過ぎると、投資用の不動産担保ローンが借りにくくなってきます。年収が下がり、定年までの残りの労働期間が短くなることが借り手としての評価を下げてしまうからです。

仕事を探す時も同じです。

特別なスキルを持っている例外的な人を除けば、多くの人は50代を超えると仕事を見つけることが極めて難しくなります。

年齢が高くなると、清掃業務や交通誘導業務といった肉体的負担が低い仕事しか、求人がなくなると聞きます。

おそらく、私が求職活動をしても、自分がやっても良いと思える仕事を見つける事はほぼ不可能だと思います。

さらに、婚活市場でも50代後半のマーケットバリューは極めて低いようです。

2年前にこちらのブログに書いたように、そもそもこの年になると、結婚対象外になってしまうのです。

婚活して結婚するつもりは、今のところはありません。でも、結婚できるのにしないのと、結婚したいのに出来ないのは、大きな違いです。

いくら、自分は自然年齢よりも若いと力説しても、それぞれのマーケットでのバリューは変わりません。努力が報われないのは、何だか悲しいことです。

時々、電車の中やコンビニのレジで同世代の「キレるおじさん」が話題になります。

周囲に当たり散らす事は決して許されることではありませんが、年齢による差別が身に染みるようになるのが原因なのかもしれません。であれば、その怒りの理由は少しだけ理解できるような気がします。


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年6月17日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

アバター画像
資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。