人生最大のピンチをどう乗り越えるか?

友人の堀井計さんが経営するホロスホールディングスが新規上場承認され、来月東京証券取引所に上場する見通しとなりました。

株主として応援してきた会社が上場するのは、これで3社目になります。毎回感じることですが、0から1を産み出す起業家にはリスペクトしかありません。

堀井さんといえば、こちらのブログに書いたように2020年にステージ4の肺がんになり、そこから生還したという経験の持ち主です。写真は、もしかしたらもうこの世でお会いできないかもしれないと思って、悲壮な気持ちで京都に行った2020年8月のツーショットです。

病気をどのように克服したかの経験はこちらの著書「告白。実はワタス、がん宣告を受けました。」に詳しく書かれており、一読の価値があります。

死を覚悟した逆境から、創業した会社の上場というドラマのような展開ですが、奇跡の復活を遂げた堀井さんに学ぶべきことは、人生の大きなピンチにおける対応です。

堀井さんの強味は、諦めない気持ちの強さと、どこかで自分を客観視しているような自分の心との向き合い方、そしてユーモアのセンスだと感じました。

がんの宣告をされれば、誰でもショックを受けると思います。その時にもうダメだと諦めてしまうのか、それともそこから何ができるかを考えるかで、結果は変わってきます。

堀井さんは西洋医学だけではなく、東洋医学から更にはオカルトチックな方法まで、あらゆる可能性を排除せず、全力で病気と向き合いました。

ただ、現実に真剣に向き合い過ぎると、精神的に消耗してしまいます。真剣に考えながらも、どこかでそれを客観的に見ている自分という視点を作る。それが心の余裕につながっているように見えました。

そして、悲観的な気持ちになりがちの中で、ユーモアのセンスを忘れないことも大切です。笑いが人間の体に良い影響与える事は医学的にも証明されています。暗くなるだけではなく、自分の現状を笑いに変えることで、少しでもポジティブに考えることができる。これは、関西人の強みです。

と分析するのは簡単ですが、実際に堀井さんがこれまでやってきたことを見ると、とても私には真似できることではありません。

逆境でこそ、その人の真価が問われます。

平時は「京都のおもろいおっさん」(失礼!)にしか見えない堀井さんが逆境で見せた凄み。やはり、起業した会社を上場まで成長させる人のパワーはただ者ではありません。

上場日までまだ気が抜けないと思いますが、堀井さん、まずはおめでとうございます!


編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年6月21日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。

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資産デザイン研究所社長
1964年生まれ。東京大学経済学部卒業後、住友信託銀行に入社。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の創業に参加。同社は、東証一部上場企業となる。その後、マネックス・オルタナティブ・インベストメンツ株式会社代表取締役社長、株式会社マネックス・ユニバーシティ代表取締役社長を経て、2011年クレディ・スイス証券プライベート・バンキング本部ディレクターに就任。2013年、株式会社資産デザイン研究所設立。代表取締役社長に就任。一般社団法人海外資産運用教育協会設立。代表理事に就任。