政府が進める「異次元の少子化対策」の一環として、“週休三日制度”を選択肢の一つとして盛り込む方針だと伝えられています。
【参考リンク】「選択的週休3日制」、異次元の少子化対策に追加 政府方針
“選択的週休三日制度”は既に働き方改革の一環として骨太の方針に入っているので、少子化対策向けとしてよりブラッシュアップするということでしょう。
仕事のウェイトを下げることで子育ての下支えにつなげたいというロジックのようです。
週休三日制について、おそらく誰でも一度は想像したことがあるはず。ビジネスパーソンにとって永遠のロマンといってもいいかもしれません。
というわけで、今回は週休三日制度について考えてみたいと思います。箸休め的なテーマに聞こえるかもしれませんが、実はこれ、人によっては人生そのものを見直すきっかけになるテーマなんじゃないかという気がしています。
世の中は「水曜日派」と「三連休派」で二分されている
実は筆者は20年くらい前から「もしあと一日休みになるとしたら、何曜日を休みにするか」と人に聞くのがライフワークだったりします。たぶん100人くらいには聞いてる気がしますね(サービス業は休日が不規則なので除外)。
その結果なんですが、以下のような傾向が顕著にみられました(「有休とるなら何曜日か」ではなく「何曜日を休みにしたいか」です)。
・水曜日派と三連休派でほぼ100%
意外に思う人が多いかもしれませんが、何曜日を休みにしたいかと聞かれると、ほとんどの人は水曜日、もしくは土日につなげる形で三連休とこたえますね(厳密には金曜日派と月曜日派に分かれるんでしょうが本質的には同じなので三連休派としています)。
ちなみに筆者は火曜日派と木曜日派には会った記憶がないです。
・サラリーマンの多くは水曜日派
そして、一般のサラリーマンに限れば過半数は水曜日派ですね。三連休派もいないではないですがいると「え?珍しいですね」と記憶に残るくらいにはレアです。
これが経営者や事業責任者レベルになると三連休派が割と増えてトントンくらいにはなる印象です。
ではこの違いはどこから来るのかと言えば、ずばり“裁量”の有無だというのが筆者の見方です。
世界標準のジョブ型賃金と違い、日本の年功賃金は業務範囲をあえて曖昧な状態にしつつ、その都度会社が色々な仕事を与えるスタイルが特徴です。
「柔軟に対応できるからそれがいいのだ」という人もいますが、みんなで同じ時間から働きはじめたり、ある程度は遅い時間までスタンバイする必要もあります。
こういう職場では、
「朝から頑張って自分の担当業務を片付けたので定時退社します」
とか
「明日は実家から届く生鮮食品を受け取らないといけないので午前中は在宅勤務しますね」
とか
「今度の連休に有給つなげて1週間お休みいただきますね」
とかいうのはNGなんですよ。
たとえ仕事が無くても、やってるふりをしつつ職場にスタンバイしてないといけない。担当業務を持ち帰るなんてことはそもそも想定されていないし不可能なわけです。
そういう職場では、敏腕な管理職がしっかり全体の統制をとって差配しないと、ダラダラと途切れることなく永遠に仕事が続くみたいな状況になりかねません。
でも安心してください。運悪くそんなエンドレスな職場に巡り合ってしまった人にも、週末という強制リセットイベントは週一回必ずやってくることになります。
「華金」という言葉があるように、どんなに残業の多い職場でも、金曜日だけは早めに引き上げて遊びに行ってもOKみたいな空気はみんな感じているはずです。
週末の持つリセット機能は、メンバーシップ型雇用で働く多くのサラリーマンにとって必要不可欠なライフラインみたいなものでしょう。
ちょっと前置きが長くなりましたが、それこそが水曜日派の真意でしょう。水曜日を休みにしちゃえば実質的に週末が2倍になるわけです。
まあそういう意味だと別に火曜でも木曜でもいいんですが、やはりバランス的には水曜一択でしょう。
別に家に帰って寝てようが遊びに行こうが何でも構わないですが、とりあえず「明日は休みなんだから仕事はほどほどでいいや」という強制リセットイベントが週にもう一回増える効果は相当だと思いますね。その破壊力たるや、プレ金の比ではないはず。
逆に言えば、最初から仕事の範囲が明確で、裁量もあって自分であれこれ調整できる人にとっては、週末が増えること自体にはあんまり魅力が無いわけです。
むしろ、メリハリ付けて働き、一泊二日より二泊三日でガッツリ遊べる三連休の方を選ぶでしょう。
今気づいたんですが、散々の評価で今や経産省の黒歴史になりつつある“プレミアムフライデー”ですけど、一時的とはいえ週末のもつリセット効果を高める効果はそれなりにあった気がしますね。
以降、
<筆者が「少子化対策としての週休三日制は筋が悪い」と考えるワケ
ダラダラ長時間働く、バリバリ成果をあげる以外の第三の働き方
Q:「人事考課で低評価をつけ続けられています」
→A:「上司が足を引っ張る理由はないはずなので、一度腹を割って話してみるべきです」
Q:「新卒採用は岐路を迎えている?」
→A:「どこの採用担当もみんな『もう新卒だけじゃ無理』って言ってますね」
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