コロナワクチン副反応の救済認定数は性別により大きく異なる

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疾病・障害認定審査会において現在では精力的に審査が行われており、コロナワクチン副反応の救済認定数は大幅に増加してきています。手作業による集計は困難となってきましたので、VBAを用いた自動集計システムを開発しました。

2023年7月14日までに公表されたデータの集計です。

まず、医療費・医療手当の認定事例です。性比とは、男性の件数を女性の件数で割り100を掛けた数値です。

総件数の性比は58でした。心筋炎・心膜炎の性比は823と高く目立ちます。これは男性の認定数が女性のそれの約8倍であることを意味します。アナフィラキシーの性比は20です。これは女性の認定数が男性のそれの約5倍であることを意味します。他に性比が低い副反応としては、急性アレルギー反応、多形紅斑、過換気症候群、気管支喘息発作があります。

性比が低値の副反応が多い理由として、「女性ホルモンの働きにより、女性はもともと男性よりも免疫反応が強い傾向があるから」とされています。また、アナフィラキシーの性比が特に低い理由は、ワクチンに含まれているポリエチレングリコール(PEG)という物質が化粧品にも使われているため、女性の場合はPGEに対して既に感作が成立している頻度が男性より高いためと考えられます。

次に、死亡一時金・葬祭料の認定事例です。

総件数の性比は148(男性が多い)でした。医療費請求の性比が58(女性が多い)でしたので逆の結果となっています。特に、突然死、脳出血、脳梗塞、間質性肺炎の性比の高値が認められます。「∞」は女性の件数がゼロを意味します。なお、「脳出血、脳梗塞」のように複数の副反応名が記載されている認定例があるため、件数の合計は総件数に一致しません。

次に、割合は低いが重要な副反応の医療費認定事例です。

男性が多い副反応と女性の多い副反応に分かれます。

最後に年齢分布のグラフです。まず、医療費認定のグラフです。

40代にピークがあります。

死亡一時金認定のグラフです。

70代にピークがあります。10代の副反応名は脳出血、20代は小脳出血およびくも膜下出血、脳室内出血、急性心筋炎、30代は急性循環不全、突然死、急性心筋炎でした。

20代で1人、30代で1人、心筋炎による死亡が認定されています。コロナワクチン副反応の心筋炎は軽症だから重大な懸念を認めないという厚労省の説明は、いったい何だったのでしょうか?

最後は障害年金です。現時点で認定は2件のみです。「36歳女性、右上腕筋力低下など」、「90歳女性、脳梗塞後遺症など」の2件です。

障害年金の救済認定のハードルはかなり高そうなのですが、その場合には一般の障害年金を申請するという方法があります。CBCニュース【大石が深掘り解説】において、コロナワクチン接種後に発症した慢性疲労症候群で、救済の障害年金は認定されていないが、一般の障害年金が認定された事例が報道されています。