少子化直撃・ハラスメント問題で自衛官採用に逆風…最前線の「士」、予定の6割しか採用できず
はっきり申し上げて努力する方向をまちがえています。そして現実を認めない。これで、少子化の環境下でリクルートが成功するはずがありません。
長年「正社員」である曹以上の自衛官を優遇して任期制自衛官を定員の調整弁に便利に使ってきました。そして組織の変革に手を付けていませんでした。
医官の不足も、歴代大臣に質問していますが、部隊の充足率は2割、護衛艦にも潜水艦にも定員に入っている医官が乗っていない、でも病院にいるから大丈夫とか言っています。
そんなわけないでしょう。医官の数が少ないから部隊を捨てて病院に集約しているだけですよ。例えれば血液が減ったから手足を切り落として、胴体と頭だけに血液を回しているようなものです。この状態を是とするということは現状認識が歪んでいるわけです。
また陸自では未だにOB利権の銃剣道なるチャンバラごっこを専業でやらせていて、部隊長の評価にもなっている。兵隊が足りないと言っていて、チャンバラごっこであそばせている兵隊はいるわけです。そしてそのような利権構造を陸幕長ですら認めることができない。それは組織が腐っているからです。
またパワハラ・セクハラは当たり前で、それを隠蔽する。物を言う人間、改革を言う人間は異端であると徹底的にいじめで追い出す。
まともな人間が自衛隊を目指すわけがないでしょう。
自衛官の採用活動に逆風が吹いている。少子化の直撃を受けているうえ、ハラスメント問題に揺れた昨年度は、最前線で活動する自衛官を予定の6割しか採用できなかった。人材確保のあり方を議論してきた防衛省の検討会は今月、ハラスメントの根絶や処遇の改善など抜本的な改革を提言しており、自衛隊は対応を急ぐ。
やっているふりをしているだけです。事実を指摘して改革を求める「有識者」なんか呼びません。
防衛省は8月末まで、各地の施設で艦艇の一般公開や部隊の見学など約600の交流イベントを開く。これまでにない規模のキャンペーンで、この日は錦糸町や水道橋などの繁華街でもPRに励んだ。
来春卒業予定の高校生に対する採用広報活動が解禁されたのは1日だ。陸上幕僚監部募集・援護課の松元三展1佐は「この夏が採用活動の天王山という気持ちで臨んでいる。自衛隊の勤務環境や雰囲気、成長する過程を懸命に伝え、まずは興味を持ってもらいたい」と強調する。
こういうのは一切無駄です。無駄。嘘ついて飴玉ならべて勧誘しても、入隊すればバレて、やめてしまいます。しかも今のお子さん方はSNSで情報を調べますから、騙されるのは情弱だけです。
防衛省の検討会は12日に公表した報告書でこう指摘した。
「どれだけ高度な装備品をそろえようと、運用する人材の確保がままならなければ、防衛力を発揮することはできない」
特に採用が難航しているのが士の階級だ。
ぶっちゃけ部隊を削減して定数を上げるしかないわけですが。それは絶対嫌。できないことをあたかもできるとして、夢想的なリクルート計画を立てて現場にガンバリズムを強要しても無駄です。
防衛省によると、士の採用率は過去10年間、8割から10割で推移してきた。しかし、昨年度は1万6225人の必要人員に対し、確保できたのは1万120人で、採用率は62%に急落した。士階級の中でも、2~3年間の任期で活動する「自衛官候補生」の採用率は43%にとどまる。
ぼくは10年以上前に「国防の死角」でこのことを指摘したわけですが、なんの手も打ってこなかった。で、財務省に指摘される体たらくです。本来防衛白書でもきちんと問題視すべき事柄でしたが無視してきました。
そして曹以上の自衛官の待遇や予備役制度の見直しなど、すべきことが多々あるのだが、「自分たちが不利益を被ることはしたくない」「ポストは減ることはしたくない」で現状維持で問題を先送りしてきました。
やっているのが萌えキャラで騙して入隊させるとか、幕僚長のカレーvs. 唐揚げ対決とか、頭がおかしくなるレベルのお遊戯対策でやってるふりをしてきました。
背景には、コロナ禍で採用を控えていた企業の求人が回復したことや、ロシアのウクライナ侵略を目の当たりにし、子どもを入隊させることをためらう親が増えたことがあるという。陸自の元女性自衛官が性暴力を受けた問題が発覚し、同省が全隊員に特別防衛監察を行う事態となったことも影響したとみられる。
それらを問題視していませんよ。悪いのはやめた奴らぐらいに思っています。カルト教団と同じで自分たちは常に正しい、誤りだというのは異端と法敵だというメンタリティです。
そして本来民主国家の軍隊として公開すべき情報を、組織防衛のために隠蔽する陰湿な体質があります。それで大臣や幕僚長まで騙して平気です。
こういう問題はすぐれて政治の問題ですが、政治家は防衛省や自衛隊からの「ご説明」だけ聞いて無敵皇軍バンザイみたいな認識しかないから、放置してきました。
検討会の報告書は自衛隊内のルールについて、「国民の信頼が損なわれない範囲で、合理性に乏しいものは変更・廃止すべきだ」と指摘した。
報告書は、自衛官の給与・手当の増額などにも言及し、ハラスメントについては「一切許容しない組織環境が不可欠」と強調した。同省はこうした提言を踏まえ、改革を進める。
海自では待遇改善ならば完全クルー制の導入を進めるべきですが、実現していません。そのくせ役に立たない哨戒艦を導入します。隻数を減らすのは権力が減ると同じだ、見栄え悪いとでも考えているのでしょう。
ですが、クルー制ならば艦の稼働率があがります。充足率も上がります。端的にいえば20隻で充足率6割の護衛艦と12隻で充足率100%の護衛艦でどちらが強いでしょうか。また現状ではオカで勉強や研修する時間もありません。現状放置はクルーの質の問題も抱えています。
結局システムを変えることなくガンバリズムで乗りきろうとしていますから、うまくいくはずはありません。海自は艦艇のクルーの充足率を公開すべきです。
率直に申し上げて猫の首に鈴をつけるのは組織内の人間では無理です。それは政治の仕事ですが、ソースが防衛省、自衛隊からなので、バラ色の話を吹き込まれた先生方が改革なんてまともにできるわけがない。
この記事では書かれていませんが、せっかく入った隊員が辞めてしまう問題はもっと深刻です。多額のコストを掛けて取った隊員がすぐにやめるのは、組織としておかしいからです。まともな組織ではない。カルトだとバレるからです。
このまま行けば人材難で嫌で自衛隊は嫌でも縮小するしかないでしょう。防衛費だけ増やしてどうするのでしょうかねえ?
【本日の市ヶ谷の噂】
防衛医大病院では研究生も当直につくが、その当直を指導医らがネコババしている。研究性は不満を持っているが、生命与奪権を持っている相手には逆らえず、告発もなされていない。これで医官が居着くわけもない、との噂。