日本でライドシェアが解禁されたときの予想図を描いてみる

ライドシェア、いよいよ解禁か

菅前首相、ライドシェア解禁に意欲 「観光地が悲鳴を上げている」

菅前首相、ライドシェア解禁に意欲 「観光地が悲鳴を上げている」:朝日新聞デジタル
 訪日観光客(インバウンド)が急回復して各地でタクシーが不足する中、自民党の菅義偉前首相が「ライドシェア(相乗り)」の解禁を唱えている。安全面などから日本では導入が見送られてきたが、「観光地が悲鳴を上…

日本ではタクシー業界による徹底抗戦が行われ、ライドシェアが回避されてきました。Uber呼んでもくるのはタクシー。日本ではお金を取って人を乗せて運ぶのは2種免許が必要なため、ライドシェアを認めるならここからになるわけです。

しかーし。高齢化により日本のタクシーの数は高齢化と他国より1年半以上鎖国をした馬鹿げたコロナ禍でこのようになりました。

タクシー運転手、都内は32年ぶり最少 収入低迷響く

新型コロナウイルスの影響でタクシードライバーの減少が深刻化している。全国では2021年度末にコロナ禍前の19年度に比べて2割近く減り、減少が続いている。東京都内では32年ぶりに過去最少を更新した。政府が水際対策を緩和し、インバウンド(訪日外国人)の旅行需要の回復が期待される。ドライバー不足が続けばこうした旅行需要などの回復に影を落としかねない。

国土交通省などによると、全国の21年度末の法人タクシーのドライバー数は21万6231人になり、コロナ禍前の19年度末に比べて17%減った。東京でも減少が進んでいる。東京ハイヤー・タクシー協会(東京・千代田)などによると、21年度末の都内の法人タクシードライバー数は5万5391人。2年連続で4000人以上減少し、記録が残る1970年度以降で32年ぶりに最少を更新した。

菅さんもついにUberなどのライドシェアに言及したのは、都内の観光地で全くタクシーが捕まらない状況に、いまの日本は今年になっても内需がマイナスで、インバウンドに頼るしかない状況ではタクシー業界の圧力に負けていたのでは国益を損なう。そこでライドシェアの導入もやむを得ないという判断に立ったものと思われます。

タクシー業界云々は置いておいて、たとえば東京でライドシェアが解禁になった時にどんな感じになるか、わたくしが想像してみたいと思います。

都民はまず、クルマの所有率が低い・・・・・そこか

東南アジアではUberよりGrabが主流です。ベトナムなどで使いましたが、ベトナムでは個人の車もタクシーも両方来ます。

ベトナムではタクシーにぼられたので、わたしはGrabしか使いません。このライドシェアアプリのいい点は「ぼられない」ということなんです。

アジアでは韓国でさえも平気でぼったくってきます。何度言ってもメーター倒さなかったりして法外な料金をふっかけるわけですが、ライドシェアアプリではそれができない。最初に行き先を入れると金額が出てしまい、クレカで払うのでドライバーはぼったくりようがない。世界でメインになったのがわかります。

まず日本とココが違う。ちなみにベトナムは韓国車ばかりです。タクシーはボロですがGrabのクルマはピカピカのSUVだったりしました。

そうです。ライドシェアはクルマを自己所有している人しかできないのです。こちらのサイトからお借りしましたが・・・。

東京都は1人あたりの自動車所有数が全国で抜きんでて少ない。5人にひとりくらいしか持っていない。2021年のこちらの調査では23区内では7割の世帯がクルマを持っていません。都下を含めても半数・・・。

若者で自分でクルマを持っているというのは身近にはほとんどいない。もちろん、釣りやサーフィン、スノーボードなどの趣味があれば持たざるを得ないわけだが、最近はレンタカーで来ているのもけっこう見受けられます。

おそらく東京もクルマを持っていて暇があるのはほぼ高齢者ということができます。アジア各国では高齢者はクルマなんてもっていないのでココが大きく違うわけです。

東京でライドシェアができる人はどんな感じ?

東京は実は完全失業率は低いのです。40人に1人くらいです。

若い人ほど実は完全失業率は高いのは先進国共通。こちらからお借りしました。

が、この職にも就かず、ぶらぶらしてる若いのが東京で車を持っているかというと、限りなく0に近い感じがします。ウーバイーツなら暇な時間に自転車でバイト気分でできますが、クルマを持っていないとできないライドシェアは非常に敷居が高い。

東京の若者がアジアみたいにみんなやってくれるのかというと、かなりの謎です。

東京独特の厳しいことは客待ち

東南アジアでは路駐が常識です。アメリカでもけっこう普通にできますよね。自分で運転してみて厳格に怒られたのはドイツでした。w

東南アジアのホテル周辺ではライドシェアの車が待ち構えており、アプリで呼ぶとすぐに来ます。日本はどうでしょう。

浅草に車で行ったことがあれば分かりますが、都内で路駐は不可能ですのでぐるぐる流すか、コインパーキングにいれることになります。ホテルのエントランスは指定タクシーしか待てないでしょう。ガソリン代使ってぐるぐる流しながら待たないといけないわけです。

続いてタクシー代です。先進国と比較しますと、

実は日本のタクシー代はけっして高くない。タクシー代より高くするわけには行かないのでここからサービス料がたぶん30%くらい引かれます。本当に儲かるんですかね・・・

言葉の壁

英語、中国語、韓国語、あたりでいろいろ喋ってくると思うんですが、日本人は特に外国語が苦手です。UberEATSならコミ障でもできますがドライバーはそうはいかない。

英語メチャクチャわからないなんて人ができるのか・・・・

運転中のスマホは罰金1万8000円

実はライドシェアアプリではスマホの画面を見ながら運転するわけです。カーナビでいいじゃんという人もいると思いますが、ユーザーはアプリの位置情報を見ています。他の道を迂回すると???になるわけです。

しかし都内は一方通行が非常に多く、時間帯によって変わったりするのでトヨタの純正ナビでも追いつかないところがあります。Googleだとけっこう死にそうなんですよ。どうすんだろ。

運転中のスマホ操作は保持しなければ大丈夫? ダッシュボード固定は問題ないのか

まず、スマートフォンを手に持っているか、持っていないかにかかわらず、画面を見たり、メッセージを読んだりする行為は、『注視』にあたる可能性があります。もちろん、手に持っている場合には『保持』となるため、違反しているとみなされます。

恥ずかしながら私も過去に1回捕まったことがあり、かなり厳しいです。

運転中にアプリで「あれっ、こっちかな」と見ているだけでお巡りさんに捕まって罰金払っていたら死にますよ。

どんなドライバーが多くなるのか

ペルソナ設定してみますよ。ww

・ヒマでお金が無い中〜高齢者
・英語は少しはできる
・クルマはわりとボロい(お金が無いので)
・半分ボランティア気分

みたいな感じでしょうか。

観光客の案内して多少のお小遣いが入るということでは下町の高齢者に人気が出るとは思いますが、クルマはだいたい軽とか、古いプリウスとか、リッターカーみたいなのが多くなり、東南アジアのようなミニバンやSUV、大型セダンは少ないように思います。

こんなイメージ・・・ww


編集部より:この記事は永江一石氏のブログ「More Access,More Fun!」2023年8月24日の記事より転載させていただきました。