岸田総理の狙いは内閣改造ではなく、次期衆院選?

首相官邸HPより

自民党一強の支持率

調査をした報道各社にもよるのだが、ここにきて若干ではあるが内閣支持率が持ち直してきたようにも感じる。

政党支持率は当然だが、ダントツで自民党が多く、野党は大きく水を開けられている中、先ごろ代表選を行った国民民主党の支持率が上昇傾向にあるようだ。

また、日本維新の会も依然として上向いている印象がある。

9月13日には内閣改造を行うだろうとの予測が続いていて、この時期に内閣改造を行うということは年内の解散総選挙は無いと見る識者の意見が目立つ。

その中には国民民主党との連立が現状では難しいから、との見方があるようだ。

世論調査|報道ステーション|テレビ朝日
報道ステーション「世論調査詳細」ページ。「深く、力強く、きょう色々。」大越健介氏を新たにメインキャスターとして迎え、きょう知りたいニュースを、平たい言葉でお伝えします。

現在の自民党は、マイナカードと保険証の一体化問題でデジタル庁の取り組みへの批判が支持率低下の要因として取り上げられたが、ともかく、そちらは一時的に乗り切った感がある。

一方で秋本衆院議員の洋上風力発電に関わる贈収賄事件と、週刊文春が記事にした木原官房副長官の親族に関わる疑惑問題が取り沙汰され、支持率上昇の足枷になってしまった感がある。

自民 秋本真利議員が離党 賄賂受領の疑いで検察が事務所捜索

エラー|NHK NEWS WEB

統一教会“解散”で木原誠二官房副長官(53)留任へ!

Yahoo!ニュース
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これらの状況で、岸田政権としては解散総選挙に打って出るだけの材料に乏しく、今回の内閣改造は次期衆院選までの国民の溜飲を下げるだけの小規模な改造に留まるのではないか?との憶測が飛び交っている。

また、岸田政権は統一教会解散に向けて同団体への圧力を強めているが、こちらに限れば、法律の壁が存在する。仮に改正消費者契約法を使って、同団体への圧力を高めるにしても、ある程度の期間を要するだろう。ただ、現政権として統一教会との関係性を払拭するという意味で、強気の姿勢を見せることは重要だ。

記事執筆している現在、岸田総理はインドで開催されているG20に出席している。

成果を求めないG20

このG20にロシアのプーチン大統領が欠席したのは当然としても、中国の習近平主席が欠席したことが世界では大きく注目されている。この点について、拙稿では中国の国内事情が大きく反映していると触れた。

夏に行われたG7広島サミットで、岸田総理はウクライナのゼレンスキー大統領を電撃訪日させるなど、ウクライナ-ロシア戦争においてG7の立場を明確にするとともに、G7首脳が揃って広島の原爆記念公演と記念館を訪問するなど、過去に無い成果を生んだと言われている。

その成果を受け、岸田総理がG20の場でどのようなイニシアチブを取るかが、日本国民としての関心事となっているが、対中強行姿勢を見せた以外、目下のところ、目覚ましい成果は見られない。

というか、岸田総理はこのG20に大きな成果を期待してはいないようにも見える。

そもそもこのG20の最大の狙いは、アフリカに対して影響力を高めている中国を牽制することと、インドを中心にした新たな経済圏の枠組みを模索すること、そして欧州が中心になっている気候変動問題へG20諸国がどのような取り組みをするのかに焦点が集まっている。

G20サミット、1日目に予想外の進展 ウクライナは共同宣言の内容を批判

G20サミット、1日目に予想外の進展 ウクライナは共同宣言の内容を批判 - BBCニュース
インドの首都ニューデリーで9~10日の日程で開催されている20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で、共同宣言の内容が合意に至った。ウクライナでの戦争についての言及も盛り込まれた。

それらの思考のベースにあるのは、ヨーロッパ的な発想であり、Diane Coyleの言うポップ経済学への否定であり、暴論を羅列するアンポップ経済学なのだが、それが一つの潮流を形成しているのも事実だ。

アンポップ経済学の典型が所謂、グリーン経済学と言われるもので、例えば環境問題を殊更に重要視し、CO2排出悪魂論を全面に押し出した再生可能エネルギーへの過度なシフトだと言える。

欧米では過激な環境活動家が道路を封鎖したり、デモを行ったりと、およそ科学的とは言えない社会活動の妨害を続けている。アメリカの公聴会において、石油製製品の使用を制限すべきだと言う環境活動家に対して、下院議員が「ところであなたが身につけている物に石油精製品は無いですか?」と質問し、答えに窮する場面が報道されたりして、彼らの主張の矛盾点が指摘されたりしている。

今回のG20においてさえ、それらの論調のままに通り一辺倒の木で鼻を括るような共同声明の発出に終わった。

インドのモディ首相の狙いは、中国を牽制する新たな経済圏の枠組みを構築することにあったのは間違いない。国境紛争を抱える中国が『新しい地図』を公表したことは、インドのみならず周辺国の逆鱗に触れた。それに対抗しきれない習近平主席は、恥をかきたくないばっかりにG20参加を見送り、引きこもり生活を送っている。

一方、中国の孤立化を狙う岸田総理は李強首相を捕まえ、日本の水産物輸入全面禁止がいかに馬鹿げたことであるかを説諭し、しかもG20首脳の面前で、公式に中国のやり方を批判した。総理周辺の関係者は、正に議場が凍りついた瞬間だ、とも評している。

習近平が欠席したことで、中国は国際社会でのプレゼンスの多くを失ったとも言われ、インドに対して強気の姿勢に出られない弱腰が、中国の実態そのものであり、中国共産党が内外に示している国内経済の状況は、中国共産党も把握しきれていないほどに悪化しているとの見方に真実味が感じられるようにも思う。

【速報】岸田首相は国連総会に出席するため19日から訪米すると明らかにした

時事ドットコム

その後、岸田総理は囲み取材で13日に内閣改造を行い、大胆な経済対策を打ち出すとも表明した。

以降、

  • 内閣改造の目的を邪推
  • 解散総選挙はあるか?

続きはnoteにて(倉沢良弦の「ニュースの裏側」)。