日本経済新聞に国土交通省が発表した2023年の基準地価が掲載されています(図表を元記事で見る)。
住宅地を見ると、地方がマイナスからプラスに転じ、東京・名古屋・大阪の三大都市圏よりも地方4都市(札幌・仙台・広島・福岡)の上昇率の方が高くなっています。
地価回復の波が、都心部から地方に広がっていることがわかります。その主な要因は、「再開発」「企業誘致」「インバウンド」の3つです。
再開発の代表が福岡です。天神ビックバンと呼ばれる規制緩和によって、中心部にある老朽化したビルが次々と立て替えられ、地下鉄の新路線によって利便性が向上しています。
天神にはリッツカールトンホテルも開業し、観光とビジネスの両面でこれからも発展が期待できます。
企業誘致で地価上昇しているのが、北海道の千歳や九州の熊本などです。半導体工場の誘致に伴い、雇用拡大と住宅需要の高まり、そして関連企業の進出という相乗効果が出ています。
インバウンドによる地価へのプラスの影響は、京都・大阪といった有名な観光地よりも、地方の温泉地に注目が集まっています。外国人観光客もSNSなどを見て有名観光地以外に出かけるようになりました。
例えば、盛岡はNYタイムスが選ぶ「2023年に行くべき52か所」のランキングでロンドンに次いで世界第2位に選ばれ、注目を集めています。
また、日本経済新聞の記事では、高山の人気が高まって、奥飛騨温泉に星野リゾートや共立メンテナンスが進出している例が紹介されています。
インバウンド需要はまた復活を始めたばかりですから、今後大きな伸びしろがあると考えています。
国内不動産に関しては、東京、大阪、名古屋の3大都市圏の不動産需要は居住用物件に関しては引き続き盤石です。
地方に関しては、上昇要因のある場所と上昇要因のない場所との格差がさらに大きく開いていくことになりそうです。
国内不動産には、まだまだたくさんのチャンスが眠っています。
編集部より:この記事は「内藤忍の公式ブログ」2023年9月20日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は内藤忍の公式ブログをご覧ください。