前回記事「ジャニーズ・タレントのテレビ出演が減少中です」では、9月7日のジャニーズ事務所の会見以来、ジャニーズ・タレントのテレビ出演番組数が減少していることを紹介しましたが、10月の番組改編期を迎え、ジャニーズ・タレントのテレビ出演番組数が断崖絶壁のように激減していることを確認しましたので再び紹介したいと思います。
次の図は、事務所の会見の翌日からのジャニーズ・タレントのテレビ出演番組数をジャニーズ公式web の[Johnny’s net]の告示を基に作成したものです。出演番組は1週間先まで発表されるので、その分だけ先行して傾向を知ることができます。また、出演番組数は曜日に依存する傾向があるので、前方7日間移動平均(その日を含めた将来7日間の平均)も同時に赤のラインで示しています。
ジャニーズ・タレントの出演番組は週末に多いのですが、9月12日の経済同友会の会見以降、この週末の出演番組数が系統的に減少してきました。そして、10月の番組改編期を迎え、この週末の時系列挙動がウィークデイにも波及しているのです。
次の図は縦軸のスケールを変えて、同じように前方7日間移動平均の推移を示したものです。
経済同友会代表幹事の「事務所のタレントを起用することは性加害を企業が認めること」という発言以降、広告主企業が次々と契約解除を表明し、落ち込んだ出演番組数ですが、経団連会長の「ジャニーズ・タレントはモノではない。機会を奪うのも問題」という事実上のジャニーズ事務所擁護発言によって番組数の減少が一週間ほどストップしました。同時期には、民放連会長も「メディアは反省しなければ」などという何の実効性も保証しない単なる反省の言葉を表明しました。
しかしながら番組改編期を迎え、無残にもジャニーズ・タレントの出演番組数が激減したのです。
テレビ番組の編成権・制作権・編集権はテレビ局にあるので、出演番組激減はテレビ局の意思決定によるものです。当初、テレビ局は「タレントに罪はない」などとしてジャニーズ商売を継続しようとしましたが、世論の風向きが変わり、国民の批判が実際上の性加害の隠蔽を行ったテレビ局に向けられるようになると、「総合的に起用を判断する」という言葉に言い換えてジャニーズ・タレントをためらいもなく切り捨てたのです。
まさに仁義なきジャニーズ&テレビ局コンソーシアムの崩壊です。
たとえ、過去の所属タレントが性加害を告発しようが、BBCが告発番組を制作しようが、ジャニーズ事務所社長が謝罪動画を発表しようが、国連人権委員会WGが問題を指摘しようが、第三者委員会が性加害を認定しようが、テレビが「あったこと」を「なかったこと」にする認知操作を行うことで盤石だったジャニーズ&テレビ局帝国が、日本企業の敢然たる離反で崩壊したのです。
今後もテレビ離れはどんどん進むでしょう。