若い頃に逃すと後から取り返せない3つのこと

黒坂岳央です。

「若いということは素晴らしい」という言葉は本当によく聞く。これは別の角度からみれば、「年を取ってしまうともはや取り返しがつかない」とも言えるのではないだろうか?

筆者は社会的な記号としての年齢に縛られることはあまりがなく、40代・50代以降は失敗を恐れずむしろ若い頃よりドンドン挑戦して失敗しながら上を目指す生き方を奨励したいと思っている。だが、現実的に若い頃にやり残すともはや後から取り返しがつかない要素は確実に存在すると思っている。

個人的な独断と偏見で取り上げたい。

Tijana87/iStock

1. 人生をベットするような挑戦

最初が「人生を大きく変えるような大きな挑戦」である。これは社会的に見て大きいかどうかではなく、あくまで本人が感じる主観的な大きさである。宇宙にロケットを飛ばすような挑戦でなくても、人生でなんの成功体験もない人物が一発奮起して勉強し、志望校に合格する!みたいな挑戦もこれに含まれる。

年をとるとこれが難しくなる。結婚をして子供がいると、お金や時間があっても完全に自由とはいえないし、よしんば独身の場合でもこれまで積み重ねたものがあれば失ってしまうリスクを忌避するからどうしても保守的になる。

若さ故の強さは「何も持っていないこと」がその源泉だ。失うものはなにもない、というと聞こえは悪いが、どれだけでも失敗を受け入れられる状態というだ。つまり、何でもできる。また、起業や結婚といったでかいイベントについては「無知」であることが強力な味方になる。筆者は起業も結婚も子供を持つことも、「まあなんとかなるでしょ。多分」と最後は勢いだった。

人生経験を経て、何かやる前に小利口にあれこれ脳内シミュレーションをしてリスクばかりが目につくようになったなら、それは挑戦者としての選手生命が終わったことを意味する。

2. 青春

若い時は輝いているが、年をとるとバカらしくてできないものがある。それが「青春」である。

筆者が実際にやったのは、コールセンター派遣時代に仲間とカラオケで朝まで騒いだり、食べ放題で大食い勝負をしたり、北海道への車中泊の貧乏旅行などである。今は当時に比べてお金も時間も自由になったが、もうやりたいとは思わない。一通り経験してもう飽きてしまったからだ。青春に飽きると次のステージが見えてくる。普通はそうやって人生のエスカレーターを登っていく。

だが人生でこれを取り逃して後悔する人もいる。昔、司法試験浪人で青春も若さもすべてを捨てて20年間くらい頑張り続けたが、40代なかばで夢破れて中年フリーターになったブロガーが話題になったことがある。筆者の家の近所にも境遇の似た医学部受験生がいた。

このブログ、辛い心情を吐露する記事に溢れていたが、中でも印象的だったのが「40代半ばになった今、一番やりたいのは友達と騒いだり遊ぶような青春を謳歌したい」というものだった。誰しも必ず通る青春という花道、脇道にそれてしまうと後から悔やんでも二度と返ってこない後悔する要素になり得るのだ。

3. 小説やサブカルを楽しむこと

最後は小説やアニメ、ゲームなどのサブカルを楽しむことである。

年をとっても小説が好きな人はいるので、全員とはいえない。だが、作品によっては若い時の感受性でしか楽しめなくなるものは少なくない。

筆者にとってはそれが小説だった。義務教育時代はほぼ無学だったが、軽い小説を読むのは好きだった。昼間に読み始め、夢中で読んでいて「なんか見づらいな」と気づいたら夜になっていたという経験は何度もあった。小説のゲーム版であるサウンドノベルゲームも有名どころはほとんどプレーしたし、その後の自分の人生の価値観に多大なる影響を受けた経験もした。サブカルについて言えば、漫画、アニメ、ゲームは今でも好きでかなりやっている方である。

しかし、年を取って楽しめる作品や範囲は結構狭まってしまったと感じる。過去記事、36歳のオタクが急に趣味にハマれなくなった話にも書いたが、若い頃は同い年くらいの登場人物に共感していたのだが、今の年になると登場人物の親側の心情に共感してしまうように変化した。加齢や人生経験によって失われた感受性は、もはや二度と回復することはないのである。

だから世の中の不条理や不文律などを経験、理解する前に小説やサブカル作品は目一杯楽しんでおいた方がいい。自分は人生前半に勉強そっちのけで存分に楽しんだので良かったと思っている。もう悔いはない。勉強はいつからでもできるが、エンタメはそうではないからだ。

今回は若い頃にしかできないことを取り上げたが、これ以外はたくさんある。遊びとか仕事、人間関係はその気になればいくらでも新規開拓できる。後から悔いが残らないよう、その時にしか楽しめない要素は精一杯楽しんでおくべきだと思うのだ。

 

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