日本では、「欧州や北米では動物愛護が進んでいて、 日本よりもはるかにペットに対してやさしいはずだ」と思い込んでいる人が多いようです。
例えば日本の動物愛護の活動家は、 日本はホームセンターやショッピングモールにペットショップがあって、犬や猫が小さなプラスチックの箱に入れて売っているので日本は動物虐待大国だというようなことを言います。
ところがこれは大きな間違いです。
以下は私の著書である「世界のニュースを日本人は何も知らない4」の抜粋ですが、欧州や北米における動物虐待は日本の想像をはるかに超えています。
まず欧州大陸の場合ですが、 毎年夏や冬の風物詩はバカンスやクリスマス休暇の後にその辺に捨てられる犬や猫です。
高速道路の路肩に置き去りにしたり、 公園に放置したりします。
そういう犬猫はさっさと回収されて保護センターに送られたりします。
国によってはどんどん屠殺しますので、日本に比べると野良猫や野良犬があまりいません。
欧州大陸は非常に自己中な人が多いのでこうやってペットをどんどん捨てます。「他人の迷惑を考えましょう」とかそういうことは教えません。とにかく自分が一番なのです。
イギリスは2021年に「動物福祉法」(Animal Welfare Bill)が改定されました。
動物虐待で有罪になった場合の最高刑を懲役6ヶ月から5年、罰金は上限無制限に改定されました。
この法律では「犬の耳を勝手に切って改造すること」「闘犬」「子猫や子犬の虐待」「牧場の動物を放置すること」などが禁止されています。
なんでこんなことが法律で規定されているかというと、イギリスは犬を改造する飼い主があまりにも多く、やり方が度を越しているからです。犬を染め、耳を大胆に手術するなどの例で、犬を見せものにします。
さらに、イギリスではヤンキーやガラの悪い人々、麻薬取引人は闘犬を飼うのが一般的で、これで敵対勢力や、なわばりを荒らすグループの構成員を殺害します。闘犬はピットブルという種類が一般的ですが、特に獰猛になるようにかけあわせた種類で、殺傷力が高いために子供や大人が襲われて死亡します。一匹50万円から100万円が相場で、ブリーダーは米国にいる場合もあります。犬は近親相姦させてどんどん子供を産ませ荒稼ぎします。
さらに動物福祉法では、「業務を行う動物」(Service Animals)に対する危害や虐待が厳しく罰せられることになりました。
これは2019年に施行された「フィンの法律(Finn’s Law)」と共に動物を守ります。この法律は、デビッド・ワーデル巡査と共に犯罪者の追跡を行っていた警察犬のフィンが、頭部と胴体を刺され重症を負ったのにもかかわらず、犯罪者の罪があまりにも軽かったため、新たな法律を作ることが求められたため作られた法律です。
また、警察犬や警察犬、盲導犬などが「自己防衛」という理由で、犯罪者に刺される事件や銃撃が多発したためです。
つまりそれだけ動物に対してかなり凶暴に攻撃する犯罪者が多い、ということです。イギリスのガラが悪い地域では、闘犬に同行する犯罪者も多く、警察が業務に使用する動物に対して攻撃を仕掛ける人間も少なくないのです。ただしこれまでの法律だと処分が甘すぎたので、改定された動物保護法を適用することになったわけです。