世田谷区教育委員会は10月3日の決算特別委員会で、ひえしまの質問に対し、昨年10月、公立中学校で教師3人が男子生徒に暴力を振るい、全治2週間のケガを負わせていたことを正式に認め、謝罪した。このことを読売新聞が大きく報道した(10月4日付)。
ひえしまが本年6月の議会で指摘したことで、区教委は重い腰を上げてこれまで体罰調査を行ってきたが、ようやく6日、報告書を東京都へ提出した。
事件が発生した後、中学校の校長、副校長、加害教師3人は、生徒本人と保護者に体罰を認めて謝罪していたが、このことを学校は区教委へ報告していなかった。さらに、保護者が体罰の調査を要請するものの、区教委は不誠実な対応を続けて調査せず、挙句の果てには生徒の転校を勧めるという体たらくだった。
残念なことに、全国の教育現場では相変わらず体罰が後を絶たないが、教育委員会の感度はどこも極めて鈍い。被害に遭った児童生徒の心身よりも、「事を荒立てたくない」という“大人”の都合が優先している。
世田谷区の渡部教育長は常に、「一人も取り残さない教育」と謳っているものの、その実行力には大きな疑問符が付く。
そして、保坂区長も“教育ジャーナリスト”を自負している割には、一人ひそかに悩み苦しんでいる子どもに寄り添う姿は、まったく窺えない。いい加減、キレイゴトはやめた方がよい。
今回の事件は、様々な角度から世田谷区の教育の本質が問われていることを、関係者はよくよく銘記すべきである。